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大規模ファイル共有サービス閉鎖により映画興行収入が減少

by Silveira Neto (CC BY-SA 2.0)

劇場で盗撮された海賊版や違法コピーされたコンテンツが流通することで、劇場など正規の販売ルートにおける売上は減少する、というのが映画業界における定説。しかし、ミュンヘン大学とコペンハーゲン・ビジネス・スクールによる共同研究の結果では、必ずしもそうとは言えないという結果が出たという。

この調査は、違法ファイル共有の温床とされていたMegauploadというサイトが、今年1月に閉鎖された前後の興行収入の結果を、数値解析して得られた内容に基づいている。

結果を簡単にまとめると、多くの劇場で公開される大作・話題作は違法ファイルがなくなったことで興行収入が伸びたが、逆に、中規模から小規模な作品では違法ファイルがなくなったことにより興行収入が減少、興行収入全体においても減少したという調査結果が得られたという。

つまり、中規模・小規模作品に関しては、違法ファイルの流通により作品が多くの人目に触れ、劇場に呼び込むプロモーションの一貫となっていたかもしれない、という仮説が成り立つ調査結果だ。

日本国内の映画ビジネスにおいては、興行収入ランキングの1位から50位程度が興行収入の大半を稼ぎだし、51位から700位程度の最下位作品までは、興行収入がほとんどかわらないロングテールの構造となっている。違法ファイルを肯定するわけではないが、今回の調査結果は、このようなロングテールの作品群に脚光を当て、思わぬヒットコンテンツを生み出すためのヒントとなるかもしれない。

音楽業界では、ジリジリと進むCDの売上不振に対して、ネットによる定額配信サービスなど新しいビジネスが生まれ市場を牽引している。映画業界においても、huluなど定額配信サービスが人気を博すなど、今後もインターネットを活用した新しいビジネスが成立する余地は大いにありそうだ。

出典:財経新聞

ミュンヘン大学およびコペンハーゲン・ビジネス・スクールによるこの共同研究は、違法ファイル共有の温床として今年 1 月に閉鎖された Megaupload の閉鎖前後の興行収入を、閉鎖によって影響されない対照群と準差分の差分法を用いて評価したとのこと。その結果、Megaupload の閉鎖は興行収入の減少を引き起こしたとの結論に至った。これはソーシャルネットワークにおけるファイル共有が「支払う意思の無いもしくは低い層」から「支払う意思の高い層」への口コミの役割を果たすことを示唆しているとのこと。

 Megaupload の閉鎖の影響は、500 館以上で上映されるヒット作では興行収入が伸び、中規模から小規模な作品では減少、興行収入全体においては減少という形であったとのこと。ヒット作は友人同士で鑑賞することが多いためファイル共有やその他インターネット上の状況の影響を受けないが、ファイル共有による「口コミ効果」を得られなくなった中規模 〜 小規模作品においては顕著な影響があったことを示しているとのことだ。
>> 続きを読む (外部リンク: 財経新聞)

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