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注目のアジア市場、激しい賃金上昇が経営課題に

By Jeff McNeill (CC BY-SA 2.0)

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が2012年度「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を発表した。

本調査は、北東アジア5カ国・地域、ASEAN9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計20カ国・地域に進出する日系企業約3,800社より回答を得ており、大企業から中小企業、製造業からサービス業まで幅広く調査対象としている。

調査結果によると、2012年の営業利益(見込)を「黒字」とした企業の割合は63.9%で、前回調査から3.9ポイント減少している。日本企業の進出が進み、にわかに多くの注目を集めているアジア市場だが、景況感はごくわずかに悪化しているというのが各国の日系企業の実感のようだ。

景況悪化の原因の一つとして考えられるのが、調査結果にも如実にあらわれている「従業員の賃金上昇」だ。調査対象国のうち、中国、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、スリランカなど7カ国では賃金上昇を経営課題のトップとして挙げており、全調査対象企業の実に71%が課題として認識している。

その他にも「現地人材の能力・意識」「従業員の質」「幹部候補人材の採用難」など、人材に起因する課題が上位10位に複数あげられており、優秀な人材を確保していくためにも、人件費の上昇は今後不可避の経営課題となりそうだ。

このような背景を反映してか、同調査の「事業戦略の方向性」の設問においては、今後の販路開拓先として、「輸出市場」よりも「現地市場」を優先する傾向が見られたという。生産拠点・製造工場としてのアジアへの期待よりも、消費市場としてのアジアへの期待感が高まっていることを示唆する調査結果であるといえる。

激しい賃金上昇による原価高騰など、生産拠点としては懸念材料が見られるアジアだが、GDP成長率は依然として高く、引き続き魅力的な市場であることは間違いない。

出典:独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)・2012年度「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」

ジェトロは2012年10~11月、北東アジア5カ国・地域、ASEAN9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計20カ国・地域に進出する日系企業に対し、現地での活動実態に関するアンケート調査を実施しました(有効回答は3,819社(有効回答率47.1%))。

経営上の最大の問題は「従業員の賃金上昇」。賃金上昇を問題点として挙げる企業は、中国、インドネシア、ベトナム、ミャンマーで8割以上となった。その他の問題点では、「競合相手の台頭(コスト面で競合)」、「現地人材の能力・意識」、「調達コストの上昇」、「従業員の質」などが上位に挙がっており、進出企業にとっての経営課題は、コスト面と人材面に集約される。
>> 続きを読む (外部リンク: 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)・2012年度「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」)

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