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【プロの視点】HP―オートノミー不正会計問題を考える

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米国のIT企業であるHP(スタンフォード大学出身者による大学発ベンチャーの草分け)が2011年9月に買収した英国のIT企業オートノミーについて、不正が発覚したとして88億ドル約7,000億円の減損を計上したという話。HPではこのうち50億ドルが不正会計関連としており、SECの調査を依頼したという。その結果はまだ出ていない。

この件に関して、いったいどのようなことが起こったのかに関して具体的な内容に関しては伝わっていない。ただし、このHPの対応に関してオートノミーの創業社長であったマイクリンチ氏は異議を唱えており、その内容としては、そもそもオートノミーは英国で上場しており、IFRSに準拠して会計処理をしており、それはデロイト・トッシュによって監査されてきたということ。HPの買収に関しては、HPのバイサイドのデューデリをKPMGが行い、オートノミーのセルサイドのデューデリはPWCが行ったとのこと、さらにHPの監査はEYが担当していることから、本案件に関しては4大グローバルネットワーク監査法人が全て関与しているということになる。しかしながら、これらの監査法人からは、会計の不正に関する指摘は受けてこなかったのであり、ここにきて不正会計が原因で巨額の減損が必要というのは納得できない。というものである。マイクリンチ氏は、HPに対する公開質問状のような形でウェブサイトを立ち上げている。http://autonomyaccounts.org/

この問題は、過大評価した額で企業を買収するという形としてはオリンパスに近い手法をとっているので、HP側に何か含み損でもあって、それを飛ばすためのスキームとして考えられたものなのかという疑いも考えられる。そうであればHPが自らこれを問題視してSECにまで調査を依頼するというのはおかしい。単純にオートノミーを過大な額で買収したために減損せざるを得なくなったというのが普通の見方であろう。しかしながら、本案件は4大監査法人が関わっているというところが微妙なところであろう。HPの株価がこのプレスリリースによって大幅に減額となったために投資家たちはHPに対して訴訟を一斉に起こしているようであり、この火の手が米国ではディープ・ポケットといわれている監査法人に標的が向かう可能性は十分にありうる。そのような流れになった場合、監査の強化に向けての動きが加速してくる可能性がありうる。そうなれば、日本経済にとってもマイナスに働いてくることになるだろう。いずれにしても近日中にSECの調査結果が出るであろうから、それを受けての話となる。

【執筆】日之出監査法人 小田哲生

出典:livedoor NEWS

米IT大手ヒューレット・パッカード(HP)が20日に発表した8~10月の決算は、多くの投資家にとって衝撃的だったようだ。同社は昨年買収した英オートノミー(Autonomy)の減損費用として88億ドルを計上したと発表した。
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