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船井総研流 顧客開拓10の原則 vol.001

株式会社船井総合研究所
チーフ経営コンサルタント
斉藤 芳宜

商品が悪いわけでもない、営業のスキルがないわけでもない、なのになかなか売り上げが伸びない・・・と悩んでいる幹部の方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

この不景気では、既存の顧客だけで売り上げを上げることは困難です。新規開拓もなかなか難しい状況にあります。だからといって、顧客開拓をしないわけにはいきません。

今回は、その顧客開拓に着目し、顧客開拓の10原則をご紹介していきたいと思います。

原則1:「売れてる」商品を持つ

「売れる商品」が「優れた商品」とは限らない。

逆説的かもしれないが、結局は「よく売れている商品」や「実績のある商品」が「売れる商品」なのである。 新規顧客を開拓する近道は、「売れる商品を開発する」のではない。「売れている商品をかつぐ」ことだ。

もちろん、経営に余裕があれば、自社で「売れる商品」作りにチャレンジしても構わない。しかし、目先の業績を上げたいのなら、すでに売れている商品をかつぐほうが賢明だ。 そう考えると、新規顧客を開拓するには商品力が欠かせない。多くの営業担当者は自社の商品に思い入れが強いため、どうしても過大評価をしてしまう。だが、自社の商品力を過信せずに、客観的に判断しないと、顧客には受け入れられない。

まずは自社の商品に、顧客が求めるような魅力があるかチェックしてみよう。

原則2:マーケティングとセールスを分離する

よく知られている話だが、マーケティング(見込み客を集める活動)とセールス(集めた見込み客を成約する活動)では必要とされるスキルやノウハウがまったく違う。両方できる営業担当者は、世の中にほんの一握りしかいない。そのような営業担当者が社内にいることを期待してはならない。

人並みのスキルを持った営業担当者に成果を出してもらうには、マーケティング(集客)とセールス(成約)に特化させることが欠かせない。 マーケティング(集客)は会社の仕事だ。つまり、会社として見込み客を集める仕組みを作らなければならない。

一方、セールス(成約)は営業担当者の仕事である(図1)。成約見込みの高い顧客を営業担当者の前に送り込めたら、そこからは営業担当者の仕事になる。このマーケティング(集客)とセールス(成約)の分業化ができていないと、顧客開拓の歯車がうまく回らない。

原則3:複数の集客チャネルを持つ

集客の基本は、「複数のチャネルから少しずつ集める」だ。

集客のチャネルはいろいろある。Webサイト、DM(ダイレクトメール)/FAXによるDM、セミナー、展示会、テレマーケティング、紹介、雑誌広告などである。 集客の際は、集客チャネルごとの可能性を頭から否定しないように気をつけたい。集客の手段は日々進化している。常に新しいチャネルを研究しておくべきだろう。

例えば、最近はソーシャルネットワーキングやツイッターによる集客が話題になっている。これらは数年前には考えもしなかったチャネルである。 ただし、チャネルを増やす際は、チャネルごとの効果測定を怠ってはいけない。費用対効果の高いチャネルをメインとし、その他のチャネルにもチャレンジしていくやり方が理想だろう。

時代の流れや景気によって、効果的なチャネルは変わってくる。効果測定は常に続ける必要がある。

原則4:プッシュ型集客とプル型集客を使い分ける

集客には、プッシュ型の手法とプル型の手法がある。プッシュ型はこちらから積極的に情報提供し、見込み客を発掘していくやり方だ。一方、プル型は相手から手を挙げさせる見込み客の集め方である。

一般に、プッシュ型集客は商品の認知度が低い場合や不況期に適している。認知度が低い商品はニーズが顕在化していないことが多いので、売り手側から商品のメリットや利用シーンなどの情報を発信しなければならない。また、不況期は投資を控えるため、顧客は情報収集に消極的になるので、プッシュ型でのアプローチが有効になる。

逆に、プル型集客は顧客の自発的な行動を促すことになる。このため、すでにニーズが顕在化していたり、解決したい課題が明確な場合に有効である。逆に新商品の説明などには向かない。 成約率はプッシュ型よりプル型集客のほうが高いのでプル型集客をメインにしたいところだが、商品の特性や景気によって集客の反応率が変わってくる。このため、上記のような使い分けが求められる。

原則5:セールスよりもマーケティングを強化する

「マーケティングの究極の目的はセールスをなくすこと」。

ピーター・ドラッカー氏は、こう指摘した。マーケティングの究極の目的は、営業担当者に依存しなくても売上があがる仕組みを作るという意味である。 マーケティング(集客)の段階で、成約率見込みの高い顧客を集めることで、営業担当者のスキルに依存せずに簡単に成約まで至る仕組みを作るのが理想だ。

セールスはどうしても営業担当者のスキルに依存する。このためマーケティングとは異なり、セールスは成功する仕組みを作りにくい。営業には人それぞれのやり方があり、丸々真似しようと思ってもなかなかうまくいかない。それに対して、マーケティングは比較的仕組みや標準が作りやすいので、人に依存する要素が低い。

次回、残りの5つの原則を取り上げる。


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斉藤 芳宜

即時業績アップにつながるコンサルティングを得意とする、IT・ソフト開発会社専門コンサルタント。全国のIT企業経営者を組織化し、オンリーワン高収益企業の輩出を目指す勉強会「ITベンダー経営研究会」を主宰している。