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船井総研流 顧客開拓の10原則 vol.002

株式会社船井総合研究所
チーフ経営コンサルタント
斉藤 芳宜

商品が悪いわけでもない、営業のスキルがないわけでもない、なのになかなか売り上げが伸びない・・・ と悩んでいる幹部の方にお送りする顧客開拓の10原則。今回の後編では残りの5つの原則を紹介していきます。

原則6:相手に関心を持つ

顧客の課題を解決できないとビジネスは成り立たない。そう考えると、ビジネスは結局「課題解決」とも言える。

当たり前の話だが、ビジネスを通じて課題を解決するには、まず相手の課題を把握しなければならない。だが、実際には相手の課題や悩みを聞かずに、いきなり商品の説明をしてしまう営業担当者が多い。これではいつまで経っても課題を解決できず、ビジネスが成立しない。

もちろん相手の課題を把握するのは一筋縄にはいかない。「御社の課題は何ですか?」と質問をしても、「なんでそんなことをあなたに話さないといけないんだ」と突き返されるのが関の山だ。遠回りのようだが、相手の課題を把握するには相手に関心を持つしかない。

「どのようなビジネスをしているのか」「業界の動向はどうなっているのか」「会社の現状はどうなのか」といったことを一つずつ質問していく中から、相手の課題を少しずつ引き出し、解決の糸口を探っていくのが基本である。調べれば分かることは調べていくのが基本である。

原則7:課題を深堀りして真因を探る

 図1  課題は多くの場合、重層構造になっている
課題と真因


実は、課題というのは、何層になっているケースが多い。課題には課題の原因があり、そのまた原因があるものだ。そして、本当に根っこにある原因のことを真因(真の原因)という(図1)。

そのため、現象面だけを見ていると、本当の課題が見えてこない。顧客から課題を聞き出せたら、「なぜ、そのような状態になっていると思いますか」「その状態の原因は何だと思いますか」といった質問を続けて、課題を深掘りしなければならない。この過程を繰り返すことで、課題の原因となっている真因を見つけられる。

真因を把握できないと、提案は的外れになりやすい。万が一、受注に至りシステムを納入できたとしても、顧客の課題を解決できず、継続的な関係を築けないだろう。そうならないためにも課題の原因は何かを常に考える癖をつけたい。

原則8:ニーズを見極める

顧客のニーズを見極めないと、商談の効率は上がらない。ニーズが顕在化しているうちに、クロージングをかけても、成約できる確率は相当低いからだ。
顧客ニーズは、「必要性」と「緊急性」の二つから探ることができる。また、これら二つの軸で顧客を分類すると、図2のような3種類の顧客が見えてくる。


図2  顧客ニーズは「緊急性」と「必要性」の二つの軸で分類できる
顧客ニーズの分類

 

ここでは、「必要性が高い」かつ「緊急性が高い」Aゾーンに属する顧客を『今すぐ客』、「必要性が高い」かつ「緊急性が低い」Bゾーンを『そのうち客』、そして「必要性が低い」「緊急性が低い」Cゾーンを『見込み度の低い客』と呼ぼう。

Cゾーンの『見込み度の低い客』はBゾーンの『そのうち客』に、『そのうち客』はAゾーンの『今すぐ客』にステップアップできれば、商談の効率はグンと上がる。 そのためには、いろいろと打つ手がある。Cゾーンの『見込み度の低い客』をBゾーンの『そのうち客』に上げるためには、「いかに必要性を感じてもらえるか」が重要だ。そのためには、課題をヒアリングすることにより、潜在化していたニーズを顕在化させることで必要性を感じさせる。

また、Bゾーンの『そのうち客』をAゾーンの『今すぐ客』に上げるためには、緊急性を訴求すればよい。例えば、同じ業種での成功事例を紹介することで、「ライバルに後れをとってはいけない」と思わせることは緊急性を訴求する一つの手である。

原則9:買わない理由をつぶす

顧客にニーズがあるとわかったら、あとは買わない理由を聞き出して、それをつぶすだけだ。強引にクロージングしたり、買ってくれるまで無理に相手に詰め寄る必要はまったくない。
「仮に契約するとしたら、何か問題ありますか」。買わない理由を聞き出すには、この質問が有効だ。

ここで顧客が問題を持ち出してくれば、その問題を解決する方法をひたすら考え、顧客に説明する。
問題が解決できれば、次に「ほかにありますか」と聞く。出てきた問題を解決できれば、再度、「ほかに何かありますか」と尋ねる。顧客が「もうないね」と言うまで、この質問を繰り返すことで、買わない理由はなくなっていき、結局「買う」ことになる。

買わない理由をつぶし続けると売れる――。クロージングとはそういうものだ。

原則10:相手の立場になる

顧客開拓の最後の原則は、自分が相手の立場になってみる、ということだ。そのためには「自分が相手の立場だったら買うか」と自問自答してみるとよい。そこで買う気になれば、顧客に自信を持って商品を薦められる。

もし、自分だったら買う気になれないと思ったら、「どのような状態なら買いたくなるか」を考えてみる。それが解決できたときには、おそらく自然体で顧客を開拓できているだろう。

次回はアライアンス成功術

以上、顧客開拓の10原則をご紹介しました。
一度にすべてが実践するのは難しいかもしれませんが、一つずつでも実践していくことで、必ず顧客開拓力は向上し、売上も伸びるはずです。ぜひ、今後のマーケティングとセールスに生かしてほしいと思います。

次回は、顧客を一気に開拓する”アライアンス(パートナー企業との協業)”の成功術をご紹介します。どうぞご期待ください。


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斉藤 芳宜

即時業績アップにつながるコンサルティングを得意とする、IT・ソフト開発会社専門コンサルタント。全国のIT企業経営者を組織化し、オンリーワン高収益企業の輩出を目指す勉強会「ITベンダー経営研究会」を主宰している。