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「経験者」と「生の声」でパッケージシステム導入を炎上させない!  ―パッケージ選定の落とし穴 vol.001

わしらコーポレーション株式会社
ITコーディネーター
坂巻 良二

RFP(提案依頼書:Request For Proposal)作りから始まり、評価基準の策定、そして審査→評価→決定に至る提案コンペですが、「何に」基づいて、「どのように」評価したらいいのか、結構な数のご相談を受けます。そんなとき、いつもお話ししているのが、”複数目線”の重要性です。

一般的にパッケージを機能面や保守面といったところから評価するのは、それほど難しくもなく、あたりまえのことです。しかし、評価基準は、IT関係だからと言って、その専門部署に任せきりにするだけではなく、社内外の立場の違う関係者それぞれの目線が重要で、その部分における評価点は、一般的なそれより高く設定すべきです。

なにやら、禅問答のようですが、今回は、そのパッケージ選定時の評価項目について、全2回でお届けします。

利用者の「生の声」を聞け ―パッケージ候補選定のチェックリスト ―

一般的な提案コンペにおいて、パッケージ候補(のちのRFP配布先)の選定は、その後の結果に直接結び付く重要な要素です。 【表1】にそのチェック項目をあげています。ここでご注目いただきたいのは、「★」点を付けた項番15と16です。パッケージの導入では、新たなパッケージ導入の第一号になり、苦労する必要はなく、むしろ複数の導入実績のある練れたものを選択すべきです。

その観点から、15は、「導入経験者に聞くそのパッケージの良し悪しや留意点」といった意味で、社外の導入経験者の生の声の確認を指します。また、16は、「パッケージ導入済みの業種・規模の似た企業担当者に聞くそのパッケージの良し悪し・苦労した点」といった意味で、こちらも、社外のパッケージ利用者の生の声の確認を指します。

どちらも、IT担当の方から見ると耳が痛い部分もあるやもしれませんが、社内で情報を待つのではなく、足を使ってのリサーチが不可欠で、一朝一夕には情報集約できません。
ここは見落としやすいのですが、パッケージ評価の大きなポイントです。ここを押さえてあるか否かで、そのパッケージを導入した場合の社内の評判が想定できますし、付き合いが浅いパッケージベンダーであっても、導入中の作業の質や、導入後のサービスレベルなど推しはかることができます。転ばぬ先の杖、時間や費用をかけてでも、しっかりと情報集約したいものです。

表1.パッケージ候補選定時のチェック項目 

ベンダーの「総合力」より「経験者」を ―ソリューション(提案内容)選定のチェックリスト―

ここでの重要事項は、フィット&ギャップ(パッケージ標準と実業務運用との差異)を見ることとなるのは、あたりまえですが、 【表2】をご覧ください、ご注目いただきたいのは、「★」点を付けた3です。どんなに過去に数多くの導入経験のあるベンダーであっても、実際の作業時に経験者がプロジェクト参画出来ていなければ経験が無いのと一緒です。

過去の事例ですが、提案時に「今回のプロジェクトに直接の導入作業経験者は参画できませんが、社を挙げて取り組むプロジェクトなので、総合力を生かし、社内で導入のノウハウを共有して全力で進めて行きます!」とこちらの心配を杞憂だと言わんばかりに言い切って導入作業に入った会社がありました。
結果はどうだったかというと、火を見るより明らかで、稼働スケジュールの見直しなどが多発し、プロジェクトはダッチロールを繰り返し、当初の予定納期をはるかにオーバーランした末の軟着陸となりました。

表2.ソリューション(提案内容)選定評価時のチェック項目 

地道な調査の積み重ねが成功を呼ぶ

いかがでしたでしょうか?今回は、提案コンペの前段にあたるパッケージとソリューション選定時のチェックすべき項目についてお話しさせていただきました。
「★」部の項目は、皆様が普段分かっていると思っていても、なかなか調べにくい部分でしょう。改めて全体を整理してみると、これら全ての項目を確認するだけでも相当にタフな作業になりそうですね。

いつも私は、「それだけ新しいソリューションに大きな期待があるといったことだ」と解釈して、タフな作業であっても、確認結果を積み上げるようお話ししています。 パッケージの導入では、これらを踏まえ、さらにBPR(業務改革:Business Process Re-engineering)を伴う業務改善の提案を求められることになります。

次回は、提案コンペ時の評価者選定と主観的評価について、過去の事例を踏まえて、お話しさせていただきます。


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わしらコーポレーション株式会社
わしらコーポレーション株式会社
坂巻 良二

(株)JTB情報システム営業開発部次長、(株)日本医療データセンター副本部長、富士ソフト(株)メディカルシステム部長等を経て、2007年わしらコーポレーション(株)の創業メンバー