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禅的経営のススメ  ~全員経営に到達するための8つのステップ ③自己開示 Vol.003

株式会社シマーズ
代表取締役
島津 清彦

第1回第2回まではステップ1「観察」、ステップ2「傾聴」と進んできました。そして今回はステップ3「自己開示」についてです。


全員経営には「自己開示」が必須!

現場の状況をしっかりと「観察」し、仮説を立てたらさらに真実の情報を得るために積極的に質問を投げ掛けて「傾聴」していく・・・このステップを踏めば現状の経営課題がかなり明確にイメージできるはずです。

トップやマネジャーが現場の正しい情報を知ろうという姿勢、謙虚に耳を傾けようという姿勢を見せるだけで現場は嬉しいものです。しかし、観てばかり聴いてばかりでは組織は変わらないどころか「何もしないリーダー」「実行しないリーダー」というイメージをもたれてしまい、現場の士気はまた元に戻ってしまいます。

目指すのはあくまで「全員経営」です。「全員経営」とは社員自らが自らの頭で考え、現場の変化に柔軟に対応していく組織です。「全員経営」におけるリーダーの役割はビジョンを示し、ベクトルを合わせ、メンバーのモチベーションに火を着けることです。

そのためにやるべきこと、ステップ3は「自己開示」です。

現場はトップが何を考え、チームを組織をどのような方向に導こうとしているのかを常にアンテナを立てて見張っています。トップはそのアンテナにしっかりと受信できるような発信をしつづけなければなりません。

私はこのステップ3が最も大切で最も難易度の高いステップだと思っています。

自らの考えをオープンにさらけ出すにはたとえトップといえども勇気や覚悟が必要です。トップだって人間です。完璧ではありません。ミスリードしてしまうのではないか、自分の決断は正しかったのか、常に葛藤が付きまとうものです。しかしその葛藤すらも開示してしまうことによってメンバーはやがて変化し、自ら考え自ら行動し始めるのです。

それではどのようなことを「自己開示」したら良いのでしょうか。
それは「ビジョン」「戦略」「運営方針」「行動予実」「失敗談」「プライベート」など多岐に渡ります。

どのような形で「開示」したら良いのでしょうか。

それは「個別面談」「会議」「イントラネット」「協力会社」「ホームページ」「SNS」など様々な場面や手法を使います。

私の実践例を言いますと、会議では当然のこと、たとえ新入社員であっても個別に自分の考えを話したりもしました。個別に話しミクロに展開する一方で社内のイントラネットを活用しほぼ毎日社長ブログに自分の行動日記や日々思うことを書き綴るというマクロの展開をしました。トップが誰と会って、未来のためにどんな活動をしているのか、そんなことを開示すれば現場はワクワクしたと言います。

観察から傾聴のステージで上がってきた現場の要望をすぐに経営に反映できないときはその理由をブログを使って説明したりもしました。正直これは骨の折れる作業でしたが、そもそも経営とは骨の折れる仕事のはずです。緻密さやマメさが必要です。

このような「自己開示」を続けていくと現場の風通しが良くなっていくのを感じます。良いニュースばかりでなく悪いニュースも早く上がってくるようになります。社内に議論する場が自然発生的に生まれてきます。こうなるとトップは牽引役であると同時に調整役という役割を担うようになります。ステップ3ではこのように現場の空気感を変えるのが目的なのです。




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「自己開示」実践の際に役に立つ禅語

今回もステップ3に役立つ禅語をご紹介します。

一つは「実徳(じっとく)を蔵(かく)して、外相(げそう)を荘(かざ)らず」です。

自らを開示するに当たり、「あまり良いことばかり言わない、格好をつけない」ということです。トップが現場と同じ目線に立つことで得られるメリット、効果は計り知れないものがあります。これはなかなか難しいことですがチャレンジだと思っていや修業だと思って取り組んでみてください。

二つめは「身心脱落(しんしんだつらく)」です。

開示するなら徹底的にやることです。中途半端ではなく一心不乱にやることです。社員一人と向き合うときも外部に発信するときも同じスタンスで実行します。その姿勢は必ず現場のハートをつかむことでしょう。信頼関係はそこからです。

BRO編集部からのお知らせ 9月2日発売!「仕事に活きる禅の言葉」

禅の言葉から学べる、ビジネスにおいてとるべき姿勢や方向性を解説する島津清彦著述「仕事に活きる禅の言葉」が9月2日に発売されることになりました。禅を学んだ成功者が、その学びをどう活かしたのか具体例を用いて解説されています。経営者ならではのお悩みを解決するのに役立つ1冊です。また、ビジネスと禅の関係性についてより詳しく知りたい方は、是非ご一読下さい。なお、都市部の一部書店では8月31日より発売開始となるようです。 


 「仕事に活きる禅の言葉」
島津清彦著 
出版社: サンマーク出版
発売日: 2013/9/2 

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島津 清彦

経営・人事・組織を熱くする「発熱組織プロデューサー」 前職スターツグループでは、取締役人事部長として急成長する組織の制度・風土構築を牽引。一般社団法人禅トレプレナー協会の代表理事。