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業務管理へのシフトで経営改善!そもそも業務管理システムって何?  ―効率アップはお約束!業務管理システム白書 vol.001

株式会社オロ
取締役執行役員
藤崎 邦生

今回から全6回にわたり、システムを活用することにより、「経営管理戦略」「労務戦略」「税務戦略」の三つの戦略において生みだされる「第2の利益」をより効率的に、かつ、継続的に生み出す戦略についてご説明をしていきます。

私は、主にIT・システム面の戦略立案、システム構築・運用などを行う株式会社オロにて取締役を務めております。

オロでは創業当初から、企業様のシステム構築やITアドバイザリー業務を提供させていただいており、これまで上場企業様をはじめ、上場準備フェーズにある成長企業様など、多くの企業様のご支援をさせていただく機会に恵まれました。

今回から全6回でのコラムでは、『「第2の利益」を生み出すシステム導入』というテーマにて、これまで私が担当させていただきましたシステム導入プロジェクトの中から、システムの有効活用により、効果的に「第2の利益」を獲得した事例を中心にご紹介をさせていただきます。

システム導入により「第2の利益」を獲得した事例 広告業A社の場合

【1】システム導入前の課題

A社では広告制作業を営んでいます。創業当初から順調な成長を遂げてきましたが、ここ数年は競合他社出現による価格競争に陥ることが増えてきました。また、現在は回復傾向にあるものの、リーマン・ショック直後は企業の広告費削減のあおりを受け、これまでのように売上を伸ばしていく経営が難しい環境になりつつありました。

【2】新しい業績管理とそれを支えるシステム

このような経営環境の中、A社の経営者様が取り組んだことは、売上ではなく利益(粗利)による業績管理へのシフトです。採算の悪い案件を追うのを止め、利益をもたらす案件やサービスに注力する大号令をかけました。そして同時に、粗利管理を支援する業務システムの導入を決断したのです。

<A社の粗利管理システムの主な機能>
1.販売業務、購買業務、経費精算の三つの管理機能
2.売上に対し、購買(材料費・外注費)、経費(直接経費)を紐づけて管理でき、案件の粗利採算が一目で確認できる
3.受注前に見込の粗利益率をシステム上で事前申請し、上長の承認がなければ受注に向けた活動(見積書発行、発注・仕入処理)ができない仕組みとする

このシステム導入にあわせ、営業担当に対しては売上ベースから粗利ベースへの人事考課に変更することを周知し、契約ごとの粗利益額や粗利益率がシステムを通じて明確に確認できる管理体制に変更を行いました。


【3】システム導入後の変化・効果

この仕組みが稼働してからおよそ半年後、A社には徐々に変化の兆しが現れてきました。
まず第一の変化は営業担当の意識変化です。これまでの売上至上主義から粗利益を意識する営業スタイルへと変化しました。何しろ、システムを通じ月次の担当者別の粗利益成績がボタン一つで迅速に出力されるのですから、売上額が上位ながら利益がほとんどでていない担当者は言い訳ができません。明確に自身の営業活動を振り返ることを余議なくされます。

<図>システム導入により営業担当の成果指標が迅速に確認できる体制へ




第二には、注力・対策すべき得意先が明らかになったことです。売上額は大きいものの、スポット取引で粗利益率も低い得意先、はたまた、売上額は小ぶりながら定期的な取引で契約ごとの粗利益率の高い得意先など、客観的なデータにより得意先ごとの課題が浮き彫りになりました。

<図>製品・サービス別、得意先別などセグメントの売上・利益が迅速に出力可能に



A社では、導入開始当初こそ、新システムに対する現場担当者の戸惑いや、入力の不徹底などがありました。

しかし、「売上至上主義」から「利益至上主義」へと変革するんだ!という経営者様の強い意志と、システムを活用しなければ業務がまわらない仕組み--例えば、見積書への社判押印はシステム上でしか行えないようにする、など--の構築により、比較的早い段階で、システムの運用が定着してきました。

システム導入後起こった変化の中でも、比較的早期に現れた2点についてご紹介をいたしましたが、このようにA社ではシステムの活用により「第2の利益」を獲得するための具体的な行動、業務に変化が現れました。

なお、現在A社の経営者様は早くも次のステップを模索しており、今後は部門単位に、営業利益ベースで採算を管理していく「部門別採算」に取り組むべく、社内体制やシステムの改修を予定しています。

システムの活用により「第2の利益」が恒常的に生まれる企業体質=高利益体質の企業に変革すべく、改善活動を継続しています。

今回は、システムの導入により「第2の利益」を獲得した事例をご紹介しました。次回コラムでは、「第2の利益」を獲得するためには、システムにどのような仕組みが必要となってくるのか、もう一歩システムの機能に踏み込んだ内容をご紹介させていただきます。ご期待ください。


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株式会社オロ
株式会社オロ
藤崎 邦生

東京工業大学卒業。1999年に株式会社オロ創業に参画し、現在取締役執行役員である。2008年~2012年度において、「ベストベンチャー」に選出される。