経営者の「知りたい」を解決するプロフェッショナルによるウェブメディア

  • TOP
  • BROコラム
  • 「給与ドロボー」と呼ばれた私が、売れるまでにやったこと

私の営業体験 ~「給与ドロボー」と呼ばれた私が、売れるまでにやったこと~  ―会計士が行う営業研修 vol.001

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

今回からコラム「会計士が行う営業研修」を全11回連載します。

会計の世界では「人事屋が書いた経理の本」という大ベストセラーがあります。本コラムはその本をもじって、本来であれば営業の世界とは縁が無いと思われがちな会計士である私が営業研修を行います。

景気は相変わらず厳しい状況が続いています。そのようななかで少しでも営業マンのお役に立てることを願って原稿を書きます。

オレは何も出来ないけれど、犬よりましだ。

私の社会人スタートは某商社での国内鉄鋼営業でした。「社会人で一番初めに受けた会社の仕事への取り組み方がその人の仕事への取り組み方の基礎になる」と言われていますが、正にその通りだと思います。

私が入社した会社は「商人結社」として有名で「この会社で3年もてばどこでも通用する」と言われていました。 入社5月の連休が終了すると新入社員は新規開拓営業に出ます。会社では「ライオンは子を千尋の谷に突き落とす」と言いますが、その会社の教育方針は正にそれでした。

何もわからなくとも売れなければ生きられないので苦しみの中からいかに這い上がってこられるかを試されるわけです。

「人間力がある人間は必ず売れる。無い人間は辞めざるをえない」。入社そうそう苦しみのどん底に突き落とされました。商品知識は無い、会社のしきたりもわからない、業界の事はわからない。何もわからないのに毎日5件回れと言われると新規開拓に放り出されました。

私は毎日訪問する会社を探し、電話をかけては断られる連続でした。土日も祝日もありません。「どうしたら売れるか」「売れそうな会社は無いか」と私の頭の中は1円の売上を作ることでいっぱいであり、少しの余裕もありませんでした。

営業成績は5月から毎月ゼロの連続です。自分だけは一切仕事が出来ていません。先輩からは「1円も稼いでいないのに給与をもらえていいな。給与ドロボーだな、お前は」とか「カラス」と言われました。カラスというのは煮ても焼いても食えないという意味です。「どうしたら売れるか」と苦しみながら週4冊は移動時間に本を読んで研究しましたが売れません。

5カ月程売上ゼロが続き、苦しみもピークに達していたころある一冊の本に出合いました。デール・カーネギーの「人を動かす」という本です。その本では「人に好かれるには達人を真似れば良い。達人は犬である。犬はご主人にシッポを振って親愛の情をふりまくので好かれる」というくだりがありました。

その時私の体に電流が走りました。「これだ!!オレは何も出来ないけれど、犬よりましだ。日本語がしゃべれる。それに大学を出ているのでバカではない。勝った。今の自分で出来ることをやれば必ず売れる」と確信しました。それ以来「私に宿題を下さい。何でもします。私は何も出来ませんが先輩にはすごい人がいっぱいいます。会社の信用も全て使えます。」

自分を無にしてお客様の為に出来ることは何でも全力で追求しようと思いました。「お客様は何に困っておられてどうしたら解決出来るのであろうか」徹底的にお客様の立場に立って共に考え、自分で出来ることは何でもしました。

すると面白がって宿題をくださる方が現れ出し、相手にされるようになりました。1件の引合いのありがたさが身にしみます。どんなに面倒でも小さな仕事でもゼロの私にとっては無限大のありがたいお客様からの自分を認めてくれた愛を感じました。先輩から邪険にされても教えを請い、なんとか対応させていただきました。

そして10月に注文第一号がありました。5カ月ゼロの苦しみに耐えたご褒美でした。一つの注文を頂くことのありがたさが身にしみた瞬間でした。それ以来能力はいらない。お客様といかに共に良い買い物をするべく努力すれば良いと思うに至りました。

お客様は、実は自分が何を買うのがベストかをわかっていません。経営者の要求に合うベストの購入はどこでどのように行ったら良いかがわかっておられないのです。わからないので最適化基準ではなく満足化基準で買わざるをえないのです。購買担当者は会社の代表として最も少ない条件での購買を任されています。しかし自信がありません。

そこで優秀な営業マンに会いたがっているのです。自分の仕事を評価させてくれる営業マンを待っているのです。だとするとお客様の要求に合致する条件を満たすべくお客様の仕事の手順に合わせて困っていることを共に考えながら提案の材料を得れば良いのです。

よく何も自分の状況を伝えずに「提案してくれ」というお客様がいますがとんでもありません。提案するには相手の困っていることがわからなければなりません。このシートはお客様とともに考えながら記入して下さい。もし記入出来ればお客様のニーズが浮き彫りになり、すばらしい提案が出来ると思います。

資料ダウンロードボタン



このエントリーをはてなブックマークに追加

このコラムは役に立ちましたか?

読み込み中 ... 読み込み中 ...
株式会社カクシン
株式会社カクシン
長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

バックナンバー