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私の営業体験 ~断られる不安、傷つく恐怖を克服する「意識変革シート」~  ―会計士が行う営業研修 vol.003

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

売れる営業マンと売れない営業マンの違いは「有効面談時間」を比較するとよくわかります。売れる営業マンはお客様と会っている時間が長いのに対して、売れない営業マンは会っている時間が短いのです。トップセールスマンは4時間以上お客様と会う時間を作れますが、売れない営業マンは2時間未満です。結果に差が出るのは当然なのです。

役に立つからお客様から「来てくれ」と言われ売る機会が増えるし、役に立たない人は「来なくてよい」と言われてますます穴グマになります。お客様に断られたり、つらく当たられると心が傷つき、ますますお客様の所へ行きづらくなり、悪循環に陥っていきます。誰でも否定されたくない、傷つきたくない。営業は無碍もなく断られ、傷つけられ、否定され、自己重要感、人間としての尊厳を傷つけられやすい仕事です。不安、恐怖との戦いなのです。結果が明確に出るので厳しい仕事です。

人間は自分が最もかわいいし、自己の尊厳、自己重要感を強く欲しています。こうしたいという欲求、誘引と不安、恐怖から安全を得たいという心の葛藤がいつも繰り広げられているのです。よく困った上司は売れない営業マンに「なぜ行けない、なぜお客様の所に行かずに社内にいるのか」と赤筋を立てて怒っていますが、おかしな話です。不安、恐怖に負けているのです。

今回はその不安、恐怖とどう向き合いどう克服するかについてご説明したいと思います。

「不安・恐怖克服シート」を活用して自己と向き合う

不安・恐怖克服シートは3つのフェーズから構成されています。
成功体験の分析、不安・恐怖の内容を探る、そしてイメージトレーニングです。
この3つの点についてそれぞれなぜそれが必要でどうすればうまくいくかについてご説明します。

(1)これまでの成功体験を分析する

いくら今自信を無くしている営業マンであっても一度や二度は成功体験をお持ちだと思います。もし営業に配属されてから一度も成功体験がない方の場合は、学生時代のことでも趣味やスポーツについてのことでも良いので、自分の成功体験を思い出して、そのことを分析してください。

自分が天にも昇る気持ちを味わえた時には、必ずその背景にはたゆまぬ努力があり、苦労を乗り越えてやっと成功したから喜びもひとしおであったと思いますし、その成功によりお客様が喜んでくださったり仲間や上司が評価してくださったと思います。誰でもやれば出来るのです。

私がこのシートで研修を行うと、多くの方は新入社員のころや昔成功体験をされて喜びを感じておられ、最近は感じられない場合が多いのです。最近は仕事にも慣れて気づかずに手抜きをしているのです。

改めて今までの自分を振り返ってみると実は自分は捨てたものではなかったことに気づけることと、今の甘さに気づくことで改善の兆しが見えるのです。シートに従って成功体験を味わい「もう一度そうしたい」という願望を呼び戻すのがこのセッションのねらいです。

(2)不安、恐怖の内容を探る3つのポイント

不安、恐怖の多くは漠然としたものであるケースが多く、見たくないので考えないようにしますがそれに捕らわれて体が動かなくなってしまいます。自分の心に問いを発しながら深く不安、恐怖のありかを探っていくと実はなんてことはないことに気づくのです。誰でもいざとなれば不安だとか恐いとは言っていられなくなります。どう胆を据えるかが重要なのです。

1.何が行動を妨げているか

営業マンの中には断られるのではないか、イヤな顔をされるのではないかと悪いことをイメージしがちでなかなか前に進めない人が多くいます。イヤな思い出が強烈だったのでどうしてもそのイメージに引っぱられてしまいます。しかし断られて傷ついたとしてもお客様に害があるわけではなく、自分も悪いことをしているわけではありませんので自分が営業することが本当にお客様の役に立つのであれば不安、恐怖から行動しないことはお客様のためにならないのです。その点を確認すれば不安、恐怖が弱まるはずです。また、断られた時「それでどうなるか」とよくよく考えてみると命をとられるわけでもなし、給与は減るわけでもなし、実はたいしたことはないということに気づくはずです。

2.あなたの原点(受け入れられる最悪の状態)

不安、恐怖を乗り越えるには最悪の状態を想定してみてください。今自分が行動した時に最悪のケースでどのようなことになるかをよくよくシミュレーションしてみるのです。たいしたことはない、なぜならお客様のために営業活動を行っているからです。そのことに気づいたら次に今まで自分にとっての最悪のケース(苦しい時に戻って立ち止まるべき自分の原点)、その最悪の時でどうなったか、確かに苦しかったかもしれないけれど、立派に立ち戻り元気になっています。大切なことですが行き詰まった時はいつでも自分を立て直すための原点を用意しておき、その場所に自分の心を戻し、そこから今の不安・恐怖を冷静に見つめ直すと良いのです。なんてことはないのです。

3.取り除くべきプライド、心のコケ

原点が定まれば今の不安、恐怖がなぜ起こるかを考えてみます。するとへんなプライドや心のコケが見えてきます。そのような余分な心を取り除けば不安、恐怖で行動出来ないということは無くなるのです。

(3)2つのイメージトレーニング

イメージトレーニングは重要です。下手に仕事をするよりはイメージトレーニングをしっかりと行った方が効果はあがります。最近では一流のアスリートは誰もがイメージトレーニングを行っています。大切なことは成功のイメージと失敗克服のイメージの両方を持つことです。

1.成功のイメージ

これは成功した状態をありありとイメージすることとそこに行くまでのプロセスを細部までイメージすることです。想いは実現するので、このイメージが明確になれば必ず成功します。

2.失敗克服のイメージ

実は失敗克服のイメージが非常に重要です。不安、恐怖は良いことだけ考えて意識のフタをすると潜在意識の負けイメージが悪さをします。失敗をイメージして実はそれがなんてことはない、成功へのステップアップであり、恐くないしそれを乗り越えて必ず成功すると思える必要があります。不安、恐怖を消すために失敗克服のイメージトレーニングが必要になります。


以上、このシートを用いてよく考えてみると不安、恐怖を克服出来、強い営業マンへと変身出来るのです。

 

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株式会社カクシン
長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

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