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私の営業体験 ~「お客様から見て最も優秀でお客様にとっての最高の条件」~  ―会計士が行う営業研修 vol.004

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

我々が物を考え判断する場合、知識の力を借りる必要があります。知識が無ければ物は考えられませんし、判断することも出来ません。どれだけ有用な知識を持っているかが物を考え判断するためには必要になります。仕事は価値を創造するために行いますので、どうすれば価値が生まれるかに関する知識が必要になるのです。

営業員はお客様のニーズ、期待をさぐり出し、それを満たすために最適と思われる提案を行い、商談を成立させます。この際、営業員が認識しておかなければならないのはお客様は自分が必要とする商品の内容として、スペックとしてベストなものを確信しておらず、不安をお持ちだということと、「たぶんこれが会社にとって必要だ」と思っている物を購入するにしても最も良い提案をしてくれる業者はどこかを知らない中で購入しなければならない現実です。そして社内では「最適な購入をすべし」と厳しい要求を突きつけられているのです。営業員はそのような状況を把握しつつ、購入者が社内で「良い買い物をしてくれた」と評価され、社内で出世していける状態を作って差し上げる必要があるのです。だとするとお客様にとって何が必要でそれは何がベストか、そしてどうすれば調達出来るかをお示しして、理解して頂いたうえで納得の上商売をしていく必要があるわけです。何がベストかを説明できるためには、全体がわかっていなければなりません。業界のこと、お客様のこと、自社のこと、これらに関する立体的な知識をもとにお客様が「なるほど」と納得されて自信を持って購入して頂けるようになるまで知識を高めていく必要があります。私営業員としての社会人スタートの時、トップセールスの先輩から「お客様から見て最も優秀でお客様にとっての最高の条件での取引が出来なければ生きていけない」と言われていました。何でもわかっており、「その人が言うことであれば間違いない」と誰もが認めている状態をよく見ていましたので知識を深めることに対するこだわりは人一倍強いのだと思います。

知識を身につける有利件

仕事が上達するには一定の時間がかかります。「石の上にも三年」と言われる通り、そこそこ仕事を一人で回すことが出来るようになるには時間がかかります。しかし知識をひと通り詰め込み、重要な現場を見学し、全体の仕事のイメージを持つと成長のスピードが速くなります。人間の頭は目的意識を持っていないと情報を拾うことが出来ませんし、知識が無ければ考えられませんので早い段階で知識を詰め込み、高い目的意識と問題意識を持つことで後の成長が変わってきます。私はお客様には「一人前になるために必要な知識を定義して、一気に頭に詰め込んで下さい」と言っています。市販の本で必要な知識を十分に得ることは出来ませんので、会社ごとに担当を分けてテキストを作成し、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)仕事の上での教育、OFFJT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)仕事を離れての研修などの教育で知識レベルを上げれば業務能力向上が早く営業力の底上げが出来ることは間違いありません。

備えておく知識の内容

(1)業界知識

業界の全体像です。どのような会社で業界を形成しており、規模、その中での勢力分布や関係、それぞれのグループの特徴、その中における自社の位置づけなどです。業界は歴史とともに勢力図を変えていますので、歴史までわかっていると説得力があります。そして特に重要なのは「今後どうなっていくか」の見直しです。技術革新の流れが変化している業界では特に必要です。例えば書籍の業界では、電子書籍が入ってくることで業界の地図が根本から変わります。またIT業界のように変化が激しい業界ではお客様は「何を買うのが良いのか」がさっぱりわからない状態になると思いますので、ただ物を売るだけでなく確かな見通しを持つことが信用につながります。

(2)商品知識

お客様にとっては自社が提案する商品と他社の商品との違いをわかった上で各社の長所、短所を比較して最も良いと思われる選択をする必要があります。そのために自社の商品の知識のみならず競合他社の商品知識も十分に持ち、比較の中で自社の良さをアピール出来る必要があります。しかし残念ながら自社の商品が他社に見劣りする場合があります。その場合はサービスを充実することでお客様が最高のコストパフォーマンスを得る提案をすれば良いのです。

(3)お客様知識

お客様はいかなる戦略で何をされようとしているのか、そのために今回の注文にはどのような条件が必要なのか。お客様の業界における位置づけとどうなりたいのか、また社内での仕事の運用ルール、人間関係、購買担当者の社内での評価とその方にどうして差し上げたらその人は社内で高い評価が得られるかなどお客様の内部事情まで詳しく知っておれば信用度が上がります。

(4)自社の知識

自社のことについて説明し、与信がおりるために必要な知識を提供する必要があります。どこの馬の骨だかわからない会社とは取引をしてくれません。会社としての信用な必要なのです。その為稟議が通るために必要な資料を整えるとともに担当者が社内を説得しやすい情報を提供する必要があります。

営業の効率を上げる知識を習得しよう! 「シートの記入方法」

知識を身につけるために整理する目的のシートです。お客様から信頼されるために何がどれだけ必要かを考えながらシートをうめていきます。内容は「~がわかる」「~が説明出来る」「内容、違いが説明出来る」というように具体的に習得すべきレベルをイメージ出来るように記入して下さい。そして自分の今のレベルを反省し、何をどれだけどのようにして身につけていくかを考えて「身につけ方」を記入して下さい。上司に自分のレベルを評価してもらいアドバイスをもらうことも大切です。重要なことは知識の重要性に気づき、今らか知識の習得を意識して行動しだすことです。

 

 

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株式会社カクシン
長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

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