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「育てる組織」から「育つ組織」へ 信じられない飛躍を遂げた社員のモチベーションアップ術とは  ―社員のモチベーションアップ術 vol.003

机 経営労務管理事務所
所長 特定社会保険労務士 
机 秀明

第3回は、前回ご紹介した「アーバンフューネス社」が、実行委員会として主催している「社員のモチベーションアップ」につながる活動をご紹介します。

「ネクストワールド・サミット」について

ネクストワールド・サミット(以下「NWS」という。)とは、「働くすべての人が、仕事に夢と誇りを持てるように。」を理念に掲げ、すべての「働く人」を対象にした、人材育成のためのマネジメントカンファレンスです。全国各地から参加した同業種・他業種の仲間とともに学び合うことで、互いを高め合い、成長し合うこと、自分たち自身で立てた「高い目標」を目指す中で、ひとりひとりがさらなる夢と誇りを持って、仕事に取り組めるようになり、その結果として、企業の経営力と社員満足度を向上させることを目的とした組織です。

活動内容は、全国の参加者が約半年間に渡り、毎月開催されるNWS勉強会のサポートも受けながら、高い目標達成のためにさまざまな取り組みを実践していくものです。全国大会では、全国各地のチームから、活動を経て大きな成長と成功を収め最終審査に進出したチームが、達成した成果とそこに至るまでのプロセスを発表し、表彰式も行われます。2012年に記念すべきNWS第1回全国大会が開催され、アーバンフューネス社の本業である葬儀業界全国34社、のべ500人の参加者の中から選抜された4チームがプレゼンテーションを行いました。第2回大会からは、業種の垣根を越えて参加が可能となり、2013年11月19日(火)に第2回全国大会が開催される予定です。

実践!ネクサミ式ドラマティック★マネジメント

それでは、NWSで採用している「ドラマティック★マネジメント法」(NWS大会プロデューサー・森 憲一氏考案)の実践についてご紹介しますので参考にして下さい。これは、「育てる組織」から「育つ組織」へと変わる従来にない全く新しいマネジメント手法です。永続的に成長・発展する会社を目指していくもので、人が自発的に育ち、社内に誇りや憧れが生まれることで、業績が向上する仕組みを特徴としています。

ステージ01 目標設定

・実現困難な高い高い目標を設定する!

現状から脱却し、イノベーションを起こさざるを得ない状況に自らを追い込むために、「高い高い目標」の設定がとても重要になります。また、メンバー全員が本気にならなければ達成できないため、それぞれのベクトルを一致させる効果があります。

・他人ではなく「自分自身」が決める!

理想の姿は「会社の目標=自分の目標」です。そうならない限り、最後まで頑張り続けることができません。

・ポイントは数値変換!

例えば、「日本一感謝される会社になる」など、抽象的な目標は避けて下さい。可能な限り数値化できる目標にしなければ、達成度が曖昧になってしまいます。

ステージ02 目標磨き

・会社と自分のビジョン・目標の一致!

会社の夢やビジョンに自分自身の夢やビジョンを重ねることができるか、これが本気で目標を追いかけられる最大の動機であり、条件になります。また、そのためにチーム全員でとことん話し合う場を創ることも重要です。目標磨きとは、「自分ごと」と「会社ごと」を全員で一致させる行為にほかなりません。ここにじっくり時間をかけるほど、最終的な成果が高まるのです。

・目標達成後のワクワク感!

目標を達成したその先に、どんなワクワクできる未来があるのか、会社が目標の先に描いている夢やビジョンに自分が共感できる世界があるか。これをメンバー全員で共有する作業がとても大切になるのです。

ステージ03 目標達成のプロセスを楽しむ工夫

・視える化、見栄える化、楽しむ化!

高い高い目標達成のためにはチームビルディングが必要です。そこで、普段会社で使用している目標グラフや社員間のコミュニケーションツールにひと工夫を加え、それらを「視える化(可視)、見栄える化(装飾)、楽しむ化(活用)」することが重要になってきます。例えば、目標達成時に“韓国焼肉弾丸ツアー”などのお楽しみ企画を加えた「すごろく風」グラフ、目標をクリアするごとに美しい森林風景が現れる「ジグソーパズル風」グラフなどです。このようなひと工夫で「全員で楽しもう!応援し合って目標を達成しよう!」という雰囲気が生まれます。

・携帯メールの積極活用!

日常業務の部署がバラバラなチームなどは携帯メールが特に効果を発揮します。例えば「新規契約取りました!」とメンバー全員の携帯に報告し、「やったね!」の返信があると嬉しいものです。逆に結果が出なかったときでも、「ドンマイ!」という返信があるだけで勇気が奮い立ちます。つまり、いつも一緒じゃなくても人とつながっている感覚を持たせることがとても大切なのです。

・チームや活動に名前をつけよう!

チームに名前をつけることでメンバーの一体感がぐんと高まります。例えば「チーム佐藤」など、リーダーの名前を用いたりすると、メンバーの気持ちを一つにするのに効果的です。野球やサッカーなどの「〇〇ジャパン」のようなものでしょうか。高い高い目標達成のためには困難はつきものです。だからこそ、そのプロセスを楽しめる工夫が一つでも多く必要になるのです。

ステージ04 変化・成長に対する観察眼

・小さな変化・成長の分析!

活動中に忘れてはならないのは「変化に気付く」、特に「小さな変化を見逃さない」ことです。大成功を収めないと変化・成長したという実感がわかないものですが、小さな変化の積み重ねが大きな成長へとつながるため、些細な変化を分析することは欠かせません。

・成功原因の分析!

多くの日本企業では、失敗原因を追及することはあっても、成功原因を探ろうとする習慣が希薄なようです。同じ失敗をしないという守りの姿勢も大切ですが、攻めの姿勢で成功分析を緻密に行ない一般化できれば、付加価値の高い新たな「オリジナルノウハウ」の構築に近づきます。

・プロセス重視!

「結果がすべて」、ビジネスにおいては当然であり、よく使われる言葉です。但し、本人の頑張りではどうにもならない理由で結果が出せないこともあります。結果がだめでもプロセスを認められると、「ちゃんと見ててくれたんだ」と多くの人は安らぎを感じ、組織力は高まります。リーダーはひとりひとりをよく観察し、結果だけではなくプロセスにも目を配る必要があります。

ステージ05 目標達成後の再イメージング

・活動終了間近の目標再磨き!

活動期間も終盤に入り、目標達成に到達していない場合は、「何が何でも達成するぞ!」という執着心の有無が成否を左右します。この執着心を持ち続けるためには、ステージ02の「目標磨き」を繰り返す必要があります。「その目標は、本当に自分ごとですか?」、しつこいほどにこれを自問自答し、メンバー全員でその問いを共有する時間を設けて下さい。

・ワクワクする未来のイメージこそが真の目的!

活動終了に近づくと、行動自体を目的と錯覚する「手段の目的化」という状態に陥ることがあります。真の目的は目標数値を達成することではなく、その先の「ワクワクした未来、理想の会社像」です。改めて、手段と目的を混同していないか振り返ってみる必要があります。

ステージ06 活動の振り返り

・活動停止を成長停止にさせないための分析!

活動全体を通して最も重要なのが、活動終了後の「振り返り」です。「目に見える成果」と「成長の背景にある変化」を見つけ出せば、成功は「再現可能」なものとなり、メンバーには「自信」がもたらされます。例え「小さな変化」でもないがしろにせずに振り返り、そのプロセスを明らかにしましょう。

・成功に再現性を持たせ永続成長を目指す!

「なぜ売れたのか?」「なぜ顧客満足度が向上したのか?」「なぜ新しい商品やサービスが生み出されたのか?」など、成功要因が「いつ」起こったのか?「なぜ」起こったのか?「きっかけは何」だったのか?と、ひとつひとつの変化を鮮明に詳細に分析していくことが、会社(チーム)の成長体験を誰もが再現でき、学ぶことのできる「会社の財産」となって、企業を永続的な成長発展へと導くことになります。曖昧な達成感はいずれ冷めてしまいます。活動を無駄にするのも、かけがえのないものにするのも、すべてはこの「振り返り」にかかっていると言っても過言ではありません。

第1回NWS参加企業の主な成果

参加チームが「高い高い目標」の達成に向けて、頑張った成果をご紹介します。

・A社(東京都)

売上向上 : 受注件数 前年同月比153%向上(78件⇒120件)

離職率減少 : 半年単位の退職率減少(平均6名⇒平均1名)

・B社(群馬県)

潜在顧客の発掘 : 自社会員獲得数 前年比2倍達成(818件⇒1,636件)

            : 少額短期保険獲得数 前年比4倍達成(55件⇒222件)

・C社(神奈川県)

顧客満足度の向上 : お客様アンケート評価 22ポイント向上(平均76点⇒平均98点)

・D社(茨城県)

リピーター確保 : 「会社をお知り合いに薦められる」回答 60%向上(平均40%⇒100%達成)

・E社(宮城県)

社員満足度の向上 : 社内居場所実感アンケート 60%向上(初回20%⇒最終80%)

第1回NWS全国大会を観覧して

弊所のクライアント企業であるアーバンフューネス社が力を入れている活動ということと、社会保険労務士である自分自身も人材育成には大変興味があって、第1回NWS全国大会を観覧してきました。「感動した!」、それが素直な感想です。大会の運営もさることながら、最終選考をクリアした4チームのメンバー全員の体を使った熱いプレゼンテーションから、「高い高い目標」の達成に本気で取り組んできたことが一瞬で伝わってきました。お客様のニーズの変化に一番近い場所にいる現場の社員ひとりひとりが、会社を飛び出し、自らが「高い高い目標」を立てて、他社(他者)と学び合うことで自社の強みや弱みに気付かせる、というNWSスタイルに大変共感しました。現在も、参加チームのメンバーが、自社の他の社員に大きな影響を与え、きっとイノベーションを巻き起こしていることでしょう。

  

  
2012年11月30日 第1回ネクストワールド・サミット全国大会の様子 会場:東京都 文京区シビックホール

ネクストワールド・サミット公式サイト

人材育成をお考えの経営者の皆様は、社員研修の場としてご利用になれば、きっと会社が変わるきっかけになると思います。但し、企業理念、風土、方針など、経営者として今後会社をどうしていきたいのか、その想いが弱く、社員に伝わっていなければ、会社と社員のビジョンを一致させることができず、効果は薄いものになるでしょう。

最後に、このような「場」に社員を参加させること自体が、「社員のモチベーションアップ」の源泉となり、企業の発展につながるものと確信しました。今、私自身もこのような「場」を創造し、企業の皆様に提供する仕事をしたいと考えています。

 

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机 秀明

株式会社日本政策金融公庫にて、数百社の融資・審査を通じ、多くの経営課題解決に関与。現在では、人事労務管理全般のアドバイスに主事する他、金融機関等におけるセミナー講師等、活動の場を拡げている。