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船井総研流 短期間で顧客を一気に開拓するアライアンス成功術 vol.004

株式会社船井総合研究所
チーフ経営コンサルタント
斉藤 芳宜

前回は、アライアンス成功の4条件、協業パートナーの見つけ方、Win-Winソリューションの作り方について紹介した。今回は、アライアンスの具体的な展開方法について紹介しよう。

アライアンスの第1歩「協業セミナーの開催」

アライアンスまがいの関係でよく出てくる言葉が、「案件が出てきたら一緒にやりましょう」だ。この言葉が出るようでは、アライアンスは一向に進まない。

アライアンスの展開では、共同で取り組まざるを得ない状態を作ってしまうことが鍵を握る。例えば「協業セミナーの開催」をするとよい。協業セミナーは、期間限定のプロジェクトとして活動ができる上に、お互いの新規顧客の開拓につながりやすいからだ。アライアンスの具体的な第1歩として協業セミナーの開催をお勧めする。

協業セミナー実現の6ステップ

それではパートナー企業との協業セミナーはどのように開催すればよいのか。(1)パートナー企業選定、(2)Win-Winソリューション設定、(3)セミナー企画、(4)セミナー集客、(5)セミナー運営、(6)アフターフォローのステップを踏んで実行するのが一般的だ。順を追って説明しよう。

(1)パートナー企業選定は、同じ顧客層をターゲットとしながら競合しない企業をパートナー候補に選ぶ。これはアライアンスの成功条件でも説明した通りだ。協業セミナーは同業種(IT企業ならIT企業同士)で実施することが多いが、異業種を含めて可能性のある企業をピックアップしてみよう。今まで考えもしなかった企業名が出てくるかもしれない。

(2)Win-Winソリューション設定は重要だ。繰り返しになるが、協業セミナーには、共同提案できるWin-Winソリューションが欠かせない。これがあるかないかでセミナー後の成約率が大きく変わってくる。例えば、小社(船井総合研究所)はIT企業をターゲットとしているソフト会社と協業セミナーを実施することがあるが、その場合はソフトとコンサルティングをセットにしたソリューションを用意する。

もちろん、商品によっては共同提案が難しい場合もあるだろうが、それでも用意すべきだ。Win-Winソリューションがないと、単発のセミナーを2部構成で開くのと変わらず、協業セミナーの意味がない。結果として、セミナーからの成約率も上がらない。

(3)セミナー企画では、少なくとも「ターゲット」「セミナーのゴール」「タイトル」「内容」の4点を決めておく。パートナー企業との打合せの際には、簡単でも良いので企画書を用意しておくとよいだろう。

打ち合わせでは「お互いのゴール設定(落としどころ)」と「ゴールに向けたセミナーのシナリオ設計」の2点は必ず詰めておきたい。ここをしっかり詰めることができるかどうかで、セミナーからの成約率が明らかに変わってくる。

セミナーは、最も効果的な流れを踏む

次にセミナーの内容だが、基本的には、「業界の動向(提案の背景)」→「ターゲットが抱える課題の認識」→「課題に対する解決策の提示」「課題解決のためのポイント」→「効率的・効果的に課題解決できる仕組み(システム)の紹介」→「クロージング(参加者限定の特典)」といった流れを踏む。マクロな視点から入り、ターゲットが抱える課題を提示するのがポイントだ。ここでしっかりと課題を認識させ、課題解決のニーズを顕在化させておくと、その後の成約につながりやすい。

解決しないといけない課題を認識させることができたら、次に解決策を提示する。そして解決のポイントを伝える。この段階ではシステムの話は極力しない。課題解決のノウハウを紹介するにとどめる。

次のステップで、より効率的かつ効果的に課題解決できる仕組みとして、初めてシステムの活用を提案する。その際は、課題解決のためにシステムを紹介するのではなく、より効率的・効果的に課題解決するためのシステムを紹介する流れが最も説得力がある。システムの本来の役割は決められたルールを徹底させたり、習慣化させることにあるからだ。システムがなければ、ルールを守れず、徹底できないことも、システムを導入すると半強制的に実行できることこそがシステムの最大のメリットと言える。

最後のクロージングでは、セミナーで提案したいものをしっかりと伝える。何もクロージングをしないセミナーがたまにあるが、それでは成約率は上がらない。売り込みが強すぎるクロージングは逆効果だが、お薦めの商品は自信を持ってしっかりと提案したい。

(4)セミナー集客は、セミナー開催で最も難しい。それでも単独セミナーよりは協業セミナーのほうが楽だ。お互いの顧客リストを活用して集客の負担を半減できる。ただし、お互いの集客目標は明確に設定したほうがよい。そうでないと、相手任せになりかねない。

(5)セミナー運営と(6)アフターフォローは単独でセミナーを開催する以上に、役割を明確にしておく必要がある。事前にしっかりと役割分担を決め、数回は打合せをしておこう。

以上、顧客を一気に開拓するアライアンス成功術を紹介した。アライアンスはうまくいけば、爆発的に売上があがる可能性を秘めている。ぜひその可能性にチャレンジしてみてほしい。


 

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斉藤 芳宜

即時業績アップにつながるコンサルティングを得意とする、IT・ソフト開発会社専門コンサルタント。全国のIT企業経営者を組織化し、オンリーワン高収益企業の輩出を目指す勉強会「ITベンダー経営研究会」を主宰している。