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  • 気づかぬうちに転嫁拒否? 「減額・買いたたき」の認識がなくても処分対象に!

消費税転嫁対策法の処分対象は大企業だけではない!-企業が避けて通れない「消費税増税」対策講座vol.12

あいわ税理士法人
マネージャー 税理士
佐々木 みちよ

公正取引委員会は平成26年4月23日に、消費税転嫁対策法に違反する行為が認められたとして、J社に対し同法に基づく勧告を行ったことを公表しました。同法に基づく勧告、事業者名の公表は最も重い処分であり、同法施行後初めての事例です。

今回はvol.10に引き続き、中小企業も十分に注意を払う必要がある転嫁拒否について解説します。
※消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する措置法

処分の対象となるのは大規模な小売事業者だけではない

消費税転嫁対策法は平成25年10月1日から施行されており、同法では、消費税率の引上げに際し、事業者間での取引対価につき消費税の転嫁拒否等の行為が行われないための対策が施されています。



処分の対象となる事業者(特定事業者)はスーパーマーケットや百貨店、ホームセンターなどの大規模な小売業を営む者だけではありません。上記項目「処分の対象となる事業者(=特定事業者)」②にあるとおり、営む事業に関係なく特定供給事業者から継続的に商品や役務の提供を受ける法人も対象となります。処分の対象となる事業者(特定事業者)の範囲には資本金額による限定はありません。

つまり、自社の資本金額の大小に関係なく、資本金額が3億円以下の法人又は個人事業者から継続的に商品の仕入れや役務提供を受けている法人が処分の対象となります。おそらく多数の法人が特定事業者に該当するのではないでしょうか。消費税転嫁対策法の処分対象は大企業だけであるという誤解を持つことのないよう、注意が必要です。

今回の事例での禁止行為は?

公正取引委員会から公表された資料によれば、今回処分を受けたJ社はいわゆる駅ナカと呼ばれる商業施設を運営し、「大規模小売事業者」に該当します。J社は平成26年4月以降の売上げ減少を防止するため、商品の販売価格の引き下げや商品の増量によるサービスを行うことを企画し、全ての納入業者に対してその企画への参加を要請しました。J社と納入業者の取引形態は、J社の販売代金に一定の仕入率を乗じた金額を仕入代金として納入業者に支払うものであり、その仕入率の見直しを行っていなかったことから、結果として納入業者も値引きや増量負担を強いられることとなり、これが納入業者に対する「減額・買いたたき」と認定されたようです。

公正取引委員会は中小企業庁と合同で、転嫁拒否等の行為の有無について書面調査を広く実施しています。今回処分を受けたJ社は「減額・買いたたき」という認識はなかったようですが、気付かないところで転嫁拒否等を行っていることがないか、改めて注意する必要があるといえます。

 

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あいわ税理士法人
あいわ税理士法人
佐々木 みちよ

2002年藍和共同事務所(現あいわ税理士法人)入所。大手・中堅企業への組織再編に関するアドバイス業務や連結納税導入前後の税務コンサルティング業務に従事するほか、税務専門誌への寄稿や各種セミナー講師に従事。

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