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海外で進む「訴訟会計」の例 ―フォレンジック会計で組織の利益を守る vol.003

監査法人アリア
監査法人アリアコラム担当

日本でも、これからその利用が活発化されることが予想される「フォレンジック会計」。

今回は、海外では具体的にどのような場面でフォレンジック会計の手法が使われているのか、事例をご紹介しながら、日本におけるフォレンジック会計活用の可能性について考えてみたいと思います。

フォレンジック会計サービスの利用者

フォレンジック会計の利用が既にメジャーとなっている欧米諸国において、実際にどのような方々がこの専門サービスを利用しているのでしょうか。

まずは、訴訟、あるいは訴訟に至る前の争いに職業として携わっている以下のような方。

   ・Solicitors (事務弁護士) ・Barristers (法廷弁護士) 

   →但し米国では上記区別なく、統合して Lawyers

   ・Court appointed (国選弁護人、裁判所が任命した管財人など)

   ・Arbitrators (仲裁人)  ・Mediators (仲介人)

上記職業専門家は、フォレンジック会計士とチームを組んで、案件にあたることが主流となっています。

その他、個人、各種企業、政府機関等、幅広い階層が、フォレンジック会計サービスを利用しており、特別な分野の人々のみが利用するサービスではないことがわかります。

フォレンジック会計サービスの活用例 「個人」

では、個人として、フォレンジック会計サービスを活用するのは、どのような場面でしょうか。

フォレンジック先進国で、個人が頻繁にフォレンジック会計を利用している例を挙げてみます。

   ・資産の存在及び所有権を究明するための調査

   ・相手方の正確な所得を証明するための財務諸表分析

   ・財産分与に関する税効果の評価

   ・個人事業に係る事業の評価

   ・保険会社の査定に関する調査

以上のように、人間関係の揉め事、離婚、相続、事業における見解の相違時など、様々な場面で、個人がフォレンジック会計を利用していることがわかります。現段階では訴訟に発展していない場合でも、早い段階から、事案の会計状況を的確に把握していることが争いに優位であるという認識が高まっており、そのためにプロを雇って調査してもらうことが珍しくないのです。

また、保険会社の損害金査定に納得しない場合等に、保険契約者がフォレンジック会計士を積極的に利用して、独自の評価、査定を行い、保険会社と対等な交渉を行っていることも注目すべきです。

フォレンジック会計サービスの活用例 「企業」

次に、企業がフォレンジック会計を活用している主な事例を挙げてみましょう。通常は、以下のようなケースにおける損害額の査定に専門家を利用します。

   ・取引業務に関わる紛争

   ・株主紛争

   ・建設・建築紛争

   ・特許侵害

   ・取締役の義務違反

   ・共同経営紛争

その他、企業において、分類が出来ないほどの多くのケースでフォレンジック会計サービスが利用されています。訴訟先進国では多くの企業が顧問弁護士と同様に、顧問訴訟会計士を抱えているのです。

フォレンジック会計サービスの活用例 「行政機関」

更にフォレンジック会計は民間だけでなく行政機関からも活発に利用されています。

米国では、9.11以降、FBIによるフォレンジック会計の利用が注目されました。テロに関する会計面での調査 (テロリストの資金の流れ等)では、多くのフォレンジック会計士が投入されています。

刑事事件においては、財務犯罪に対して、検察側から調査やレポート提出、証拠準備の依頼を受けることがあります。

フォレンジック先進国であるオーストラリアでは、民事訴訟はもちろん、刑事事件でも、法廷で被告側と原告側のフォレンジック会計士が主張を繰りひろげることも珍しくありません。弁護士同様、法廷に立つことが許可されているからです。よってフォレンジック会計士には、会計知識、調査能力だけではなく、裁判における説明能力、パフォーマンス力も求められている、とのことです。


このように、フォレンジック会計の利用は、人間関係の小さな争いという生活に密着した案件から、国家案件に至るまで、非常に広いということがわかります。

では、なぜこんなに多くの人が有償であるフォレンジック会計サービスを利用するのでしょうか。それは、もはや訴訟先進国においては、フォレンジック会計サービスを利用しないと、訴訟で勝利することが非常に困難である、ということが周知されているからでしょう。日本においても、訴訟に至る前の権利争い、あるいは裁判において、フォレンジック会計を利用することで、いかに争いを優位に持ち込めるか、多くの方に認識して頂き、早くこの専門サービスがメジャーになっていくことを望んでやみません。

 

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監査法人アリア
監査法人アリア
監査法人アリアコラム担当

2006年設立。国内外の企業の適正評価(デューディリジェンス)に対しても高い評価を得ており、国内では数少ないフォレンジック会計に強い監査法人としてお客様を強力に支援している。