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私の営業体験 ~モテる営業員がしていること~  ―会計士が行う営業研修 vol.007

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

営業員が実績を上げるにはとにかくお客様と会って話して、お客様の困っておられる事を解決して差し上げなければなりません。

優秀な営業員にはお客様からジャンジャン電話がかかって来て、質問や問い合わせ、相談などが途絶えません。そして、「次はいつ来てくれるか」と、とにかくモテるのです。

又、優秀な営業員は多くの売上数値が見込めるお客様に足繁く通うのに対し、売れない営業員は会ってくれるお客様のところに行き、ほとんど売れる所へは行きません。売れる人は売れる行動を取り、売れない人は売れない行動を取るのです。

だとすると、マネージャーは営業員がどこにどれだけ行っているかを管理するだけで、その営業員が売れるかどうかが分かってしまいます。顧客のABCと有効面談時間を調べるだけで状況が分かるのです。売上を増やす為にはより魅力的な顧客に長時間時間をかける動きができるかをフォローすれば良いのです。

有効面談時間とは?

有効面談時間とは、営業員の活動時間のうち、間接業務や移動時間等を除き、お客様と会って話をしている時間です。

面白い事に有効面談時間を計算してみると、興味深い結果が浮き彫りになってきます。
つまり、有効面談時間と営業成績は比例関係にあるのです。

冒頭で、お話した内容では、「どこへ行くか」の質の問題も示しましたが、「出来る人かどうか」を判断するには、有効面談時間だけで分かってしまうのです。売れない営業員は1回平均2時間未満、普通の営業員が2~3時間、トップクラスの人は1回4時間以上の有効面談時間を取っているのです。

有効面談時間と営業成績は、なぜ比例する?

本来営業員はお客様から大切にされてしかるべきなのですが、お客様はヘンなものを売りつけられたくないという防衛本能が働き、「営業お断り」の姿勢を取ります。したがって、よほど信頼されない限り、気軽に会っては頂けません。

しかし、知恵のある優秀な営業員は別です。

お客様との間で、次々とアポイントが入ります。なぜなら、お客様からすれば、自分が欲しいものを教えてくれて、自分の仕事をよりよく推進してもらえるからです。

それでは、どうすれば有効面談時間を増やせるかを考えてみたいと思います。

ステップ1 現状分析

それでは有効面談向上シートを使って考えていきたいと思います。


一般的にある人の傾向値を調べるには2週間程度の実態調査が必要ですが、ここでは1週間調べれば、ほぼ実態が分りますので、1週間の調査をしてみましょう。

ワークシートのフォーマットに従い、1週間の訪問先と有効面談時間を調べて1日平均を求めてみて下さい。

会議をはじめ、例外的な間接時間が多く含まれる週の場合は、補正する為の計算を行うこともありますが、とりあえず、実態の数値を出して面談時間とその内容を調べてみて下さい。とても多くの事がそのデータから読み取れると思います。

そこには営業員の営業に対する心が如実に現れてしまいます。「売ろう」としているのか「売ってくれ」と言われているのか「売るふりをしなければ」と言い訳作りをしているのか。

マネージャーはその営業員の心をこの内容から読み取れるようにならなければなりません。

ステップ2 無駄な時間の洗い出し

ステップ1で1日の平均有効面談時間が出たら、その数値を3時間超にする為に、無駄な時間をどうして減らせば良いかを検討するのが、このステップです。

提案書作成、アポイントを取る為の電話時間、契約、配送、仕入れ等の為の調査時間、会議、クレーム対応、社内打合せなど、お客様が活動されている朝9時から夕方6時までの8時間にどれだけ有効面談時間を入れこめるかが重要です。

社内打合せ等は出来る限り早朝や18時以降として、有効面談時間を増やせるように社内での業務時間帯を調査すると共に、営業の為の時間を出来る限り補助のアシスタントが行うか、間接部門で業務が行えるように、業務分掌の見直しを行うと共に、自らの業務の段取りをより良くしてクレームや出戻りの業務を行う必要が無いように見直します。

ステップ3 お客様が会いたくなる為の自らの変化と必要なツール

営業員にとってお客様が会ってくださる為の理由、きっかけ作りは特に重要です。
お客様にとって「その話を聞いてみたい」と思える必然性を作るツールが必要なのです。

そのためにはイベントを企画したり、お客様にとって自社の経営や購買に必要なデータや情報、他社情報等が求められています。これらの情報は売れる営業員が独自でノウハウとして自ら蓄積していますが、売れない営業員は不足しています。

多くの企業では営業が個人商店の集合体になっていますので、「会ってもらえる為のツール」を各自が作っており、有効面談時間が少なくなってしまいます。

又、提案書の例がイントラネットに蓄積されていませんので、毎回各人がそれぞれ一から作り出すことで、無駄な時間が多く発生し、お客様のところへ行けなくなってしまいます。

「会ってもらえる為のツール作り」の会社で上場会社が存在する現実があるのですから、必要なツールをどのようにして作成し、全員が活用出来るようになるかは重要な全社的テーマです。

各営業員が工夫しているツールを持ちより、皆でシェアすると共に、できれば営業企画的な部署でツールや提案書、お客様に自社への認知度や評価を上げて頂くためのイベント等を企画させることで、全員の有効面談時間を増やす事が可能になります。

その為にも、自らの業務内容を分析し、仕事とはお客様の要求に応える為にお客様と会い、お客様の悩みを聞き、お客様対応を行う時間として、単なる準備時間や間接時間は仕事ではないとの認識を持って仕事をして頂きたいものです。全体最適を求めて、個人、会社で有効面談時間を高める活動をして頂きたいものです。

有効面談時間を増やす秘訣は・・・

恐ろしい事なのですが、多くの営業員が気づいていない当り前の事があります。それは、お客様の仕事内容や、何にどう困っておられるかを知らないし、お客様から聞いてはいけないと思っていることです。

知らないのに提案する。もっと言うと教えもしないし、知られてもいないのに「提案してくれ」というのが営業の世界では日常的に行われている事なのです。

その心は防衛本能です。防衛本能は変化を嫌い、安全を守るだけでなく、無視をしたり、意識しないことを引き起こさせることにより、行動させないように働くのです。

人間は誰しも尊厳を求めていますので、目的がはっきりしないことに対しては、全力で取り組めないようになっています。目的意識を持てないことで「考えない」という状態で引き起こし、「モヤッ」とした状態で仕事が行われ、誰もがその状態を「変だ」と思わない恐ろしい状態で仕事をしている事になるのです。

有効面談時間向上の為には防衛本能といかに向き合うかが重要なのです。


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長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

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