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営業が信頼されるためにすべきこと 商品説明方法シートを利用して競合を出し抜く6つのポイント  ―会計士が行う営業研修 vol.010

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

営業員がお客様から信頼されるには、立体的な商品知識を持っていることが重要です。お客様のニーズ、期待をお聞きしながら、必要な要件、及び要求項目の順序をイメージして、そのニーズに合う商品を業界で可能な選択肢の中から選んで比較しながら説明出来ることで、お客様から評価されます。

ここで大切なのは、自らの商品を売らんかなの姿勢は一切見せずに、あくまでお客様の立場に立ち、お客様が欲する機能を共に探し、それに合った商品を幅広い選択肢の中から選んで差し上げることです。

「自分の立場で自分のことを真剣に考えてくれている」と思って頂けることが大切です。そして、価格・品質・納期・サービスと言った商品の価値の構成要素に関するお客様のニーズを基に他社比較も交えて公平な視点で説明することが重要です。もし自分の会社の商品が他社よりも機能的に劣っていれば、価格やサービスを勉強して他社に負けない状態を作れば良いのです。

有名な話に松下幸之助さんの商売での話があります。自社の商品を他社よりも高い値段で見積り、「この差は志の差です」といって買ってもらいました。志とはお客様の為に最高のサービスで奉仕するということです。

商売では、お客様が認めて下さる価値が代金よりも高ければ喜んで買って頂けます。お客様からすれば最もコストパフォーマンスが良い所からしか買いませんので、信用を受けるには、他社比較をしっかりと行いながら、決してお客様に損をさせないという気概を持って商売に臨むことです。安定感あふれる説明を行うことで信用して下さり、商売がスムーズに運びます。出来れば他社に対する相見積を取る気持ちを無くさせるほど信用して頂くことが大切です。

以下、シートに関する検討項目について説明致します。

会社のミッションから来る商品・サービスへのこだわり

最近では、売れる商品にはストーリーがあります。その商品の歴史、こだわり、その商品が作り出してくれる機能、世界など。買われたお客様がその商品とどのような仕事や生活を作りだしていくかのワクワクするシナリオを示して差し上げることで、商品の付加価値が上がります。

最近で有名な話に芋焼酎の復活ストーリーがあります。芋焼酎は今でこそブームですが、一昔前は九州以外では殆ど飲まれていませんでした。臭い、ダサいと評判は散々でした。

そこで業界を挙げてマーケティングを行いました。調査により一般のイメージを割り出し、イメージ戦略を立案しました。臭くなくてキレがある、水割りでも飲めるおしゃれなお酒ということで、瓶の工夫も併せて行い、商品イメージそのものを変えたのです。

結果、全国的な大ブームとなりました。通信販売で大きな売り上げを作っている会社は、商品の魅力を歴史やその商品の特徴を使う人がワクワクするようなストーリーを作って紹介されます。その内容に感動して、商品が売れていきます。よく講演会で作家の出版記念パーティーでの販売がありますが、講演にて本の出来た背景についてのストーリーを知ることで、お客様が感動し購入して下さいます。見習いたいものです。

価格

価格は最もお客様が気にする項目です。しかし、だからと言って安いから売れるというものでもありません。価値との兼ね合いで「お客様が喜んで買って下さる最高価格」が良いとされています。

価格に関しては同じ商品を三つの価格体に分けて販売し、どれが一番売れるかの実験をテレビで見たことがあります。人は固定観念として、安いものは品質が悪く、高いものは品質が高いという観念に縛られます。

従って、安いものが最も売れる訳ではなく、ほぼ平均して売れます。中間が最も売れ、次が安いもので、高いものもそこそこは売れます。ですから価格については弱気になる必要は無く、適正価格を価値との関係で見出していくことが大切だと思います。

品質

品質は信用に繋がりますし、前提として作用します。品質に大差が無い場合は価格勝負になりますが、品質の差別化が出来ていれば競争いらずになります。お客様に説明する場合、品質の差をしっかりと競合間の特徴を踏まえて説明出来ることが、信用を得るには大切です。

又、品質はブランドにも繋がります。我々の購入動機は無意識層に支配されていますので、信用を得ることはとても大切です。そして、信用に最も関係が深いのが品質です。アサヒビールが倒産しそうで「夕暮れビール」と言われていた時、当時の社長が再建のために「どうすれば良いですか」と競合に聞きに行かれた時のエピソードです。当時のキリンビールの社長が「最も大切なのは品質です。まず品質を良くすることに努めなさい」とアドバイスされたそうです。

サービス業ではサービスを提供する社員の知識・スキル・マインドが品質になります。この点は人事評価ではなく、品質管理として徹底させたいものです。

納期

納期も大切です。納期が遅れることでお客様の業務に影響が出ると大変なことになります。納期は価格、品質に比べて重要度を低く見がちですが、大切な要素です。着実に納期は守りたいものです。

ところで、納期に関して私は常々不思議に思っていることがあります。それは納期以前に納入していこうとする会社があまりにも少ないことです。「納期はその日に納入する」と読み替えられていると思えてなりません。早目に納入することは別に悪いことではないです。どんどん納入していけば良いのだと思います。

サービス

サービスは補足的な要素でありながら、このあり方で自社の評価を決める重要性を持っています。商品に求められる三要素は、あくまで価格・品質・納期の三要素です。商品がハード及びソフトの場合は、あくまでサービスは付随する要素でしかありません。

しかし、サービス業ではサービスが商品になります。サービスは知識・スキル・マインドで評価できます。そして、最も大切なのがマインドです。マインドは提供者がお客様のニーズを把握し、満足して頂けなければなりません。しかし、なかなか教育が十分でないことから、思うように行かないのです。OJT、OFFJTで十分社員教育を行い、品質保証を行うことでサービスを充実させる必要があります。

自社差別化のポイント

お客様から評価されるには、お客様にとってベストの状態が自社商品を購入する事で、具現化出来るストーリーを説明出来ることです。その内容が差別化であり、意識しておきたい内容です。自由に考え記入して下さい。

シートの書き方

あまり細密に考える必要はありません。シートの内容をご自由な発想で整理してみて下さい。そうしますと課題が浮き上がってくると思います。シートを作成する時は、競合二社を思い浮かべながら回答してみて下さい。何か多くの気づきが得られると思います。



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株式会社カクシン
長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

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