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裏切り者から自社を守れ!内部監査で不正の兆候をチェック  ―フォレンジック会計で組織の利益を守る vol.005

監査法人アリア
監査法人アリアコラム担当

これまでフォレンジック会計の利用で訴訟トラブルから個人や組織の利益を守ることができるとお伝えしました。今回は、組織の利益につながるという観点から「内部監査」についてお話したいと思います。

内部監査は会社法やJ-SOXの施行後、内部統制の一環と捉えられたことにより、注目され始めました。

今日はその内部監査について、内部監査人の仕事の内容や事例を含めてみなさんへお伝えしたいと思います。

内部監査とは?

まず、内部監査とはどんなものでしょうか。

日本内部監査協会の定義によれば、「内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言勧告を行う監査業務、および特定の経営諸活動の支援を行う診断業務」とあります。

一言で言うならば、会社が社会のルールを守りながら、効果的・効率的な運営を行っているかどうかのチェックと改善提案といったところでしょうか。

内部監査人の業務

内部監査人の主な仕事は、経営陣や従業員が不正を行わないように、会社のチェック機能の整備状況をチェックするとともに、内部統制を適切に運用させることです。

内部監査人は内部統制を評価する機能を担うものとして、不正発生のリスクを抑止する内部統制の整備・運用がなされているかを確かめる責任を負います。

具体的には、

  ・禁止行為や法律違反が発見されたときに必要な措置を記述したマニュアルがあるか。
  ・不正を誘発するような現実と乖離した組織目標や目的が設定されていないか。
  ・規程はきちんとマニュアル通りに運用されているか。
  ・各部門間の円滑な業務運営のため、無駄がないか。
  ・重大なリスクになりそうな事項が放置されていないか。
  ・内部統制が形式だけでなく、有効に機能しているか。

など、内部監査人は不正の兆候に常に目を光らせて仕事を行います。


また、内部監査人には、経営者とは違う独自的な視点も要求されています。

例えば、会計情報の不整合があった場合、金額が小さければ経営者は特段気に留めないこともあるかもしれませんが、内部監査人はそれを不正の兆候と捉え、調査を始めます。

内部監査事例紹介

内部監査を行うことのメリットの一つとして、「不正の発覚・防止」を挙げることができます。ここでは、内部監査によって不正が発覚されたケースをご紹介します。


≪内部監査によって不正が発覚したケース≫

A社は小売販売の会社であり、経理部長であるB氏は発注業務と出金業務を担当していました。B氏は架空の会社C社を作った上で、備品購入の領収書を偽造し、発注代金をC社へ入金していました。架空発注の事例です。

備品の管理もB氏が行っていたため、これまで誰もB氏の不正に気付きませんでした。しかし、内部監査を導入し始めたA社では、さっそく内部監査人が、社内の規程が規程通りに運用されているかどうかの調査に取り掛かりました。

その過程で備品の管理プロセスを検討したところ、規程では購買部が備品の管理をすることになっていましたが、本来管理を行う地位にない経理部のB氏が一人で管理を行っていることがわかりました。

その経緯について購買部にヒアリングしたところ、当該備品は10年程前からB氏が購入を提案し、管理も積極的に一人で行っていたことがわかりました。しかも当該備品を購買部の誰も見たことがなかったのです。

規程を無視したB氏の行動に疑問を感じた内部監査人は当該備品がどこにあるのか調べるため、固定資産台帳を取り寄せると、B氏が管理しているという備品があまりにも多く購入されていることに気付きました。これが不正の兆候でした。

ちなみに、不正の兆候とは、従業員が日中に記録の保管を他者に委ねることを拒絶する、休暇の取得を拒絶し、摘発を恐れて昇進を辞退する、などの現象であり、不正や横領が発生する可能性を示す危険信号です。

ここで、内部監査人はこの備品が本当にA社にあるのか調査をしましたが、社内のどこにもありませんでした。備品の管理を行っているB氏へ事情を聞いたところ、不正を認めました。
不正を見つけた後、内部監査人はさらに、いつから不正が行われていたのか、そもそも単独犯で行われていたのかなどの調査を行います。

調査の結果、B氏による不正は単独で10年前から継続して行われていたことが判明し、巨額の金額がA社から流出していたことがわかりました。調査は終わりましたが、ここで内部監査人の仕事は終わりではありません。内部統制についての改善提案も行います。

そもそもこの不正はB氏が備品の購入、出金、管理まですべて一人で行っていたことによるものが原因でしたので、経営者へそれぞれの業務の担当者を分け、内部牽制が効くように組織を変えるよう改善提案を行いました。経営者も内部監査人の改善提案を受け入れ、A社には不正の起きにくい体制が構築されることとなりました。

この事例は内部監査が機能したため、不正を発見することができました。

内部監査を導入しても気をつける点はあります

しかし、残念ながら、昨今の世間を騒がせた事件からもわかるように、内部監査を導入していれば、不正をすべて暴くことができるというわけではありません。

内部監査が有効に機能するか否かは不正の種類によるだけでなく、社内制度のあり方や社内風土、経営者の考え方、内部監査人個人の能力など、複数の要素に左右されてしまいます。

監査法人アリアはこれまでの財務諸表監査や内部統制監査の知識や経験を基に、内部監査コンシェルジュ・サービスというサービスを行っております。会社が「真に有効な内部監査」を実現するため、弊社の内部監査コンシェルジュが経営者様、内部監査ご担当者様のお悩みを直接お伺し、解決に向け、強力にサポートさせて頂いております。

興味があるという方はsupport@aria-audit.or.jpまでお問い合わせください。


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監査法人アリア
監査法人アリア
監査法人アリアコラム担当

2006年設立。国内外の企業の適正評価(デューディリジェンス)に対しても高い評価を得ており、国内では数少ないフォレンジック会計に強い監査法人としてお客様を強力に支援している。