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中期経営計画を軸とした組織的経営体制へ  ―個の力から組織を活かす経営へ vol.001

有限責任監査法人トーマツ
公認会計士
茂見 憲治郎

1999年に公認会計士2次試験に合格してトーマツに入社して以来、会計士、そしてベンチャーサポートの視点から、さまざまな会社の成長をサポートして来ました。内容は、会計・税務の面はもとより、マーケティングや戦略作り、ビジネスマッチング、資金調達、資本政策、技術マネジメント、人事、新規事業や海外進出など、専門領域を定めず、経営者の方が必要とされていることに対して、できうる限りのことをさせていただいてきました。今では、毎年、年間延べ100人程の経営者の方のお手伝いをさせていただいています。

お付き合いをさせていただいてきた経営者の方の中には、実力を発揮して順調に業績を伸ばしていらっしゃる経営者の方もいれば、残念ながら途中で事業の清算を余儀なくされる方もいらっしゃいました。そして、ある時点から業績が思うように伸び悩む経営者の方も。

このたびのコラムでは特に、下記のような経営者の方を対象に、組織を生かした経営の方法について、中期経営計画を活用した組織経営の実施という視点から取り上げてみたいと考えています。

◆いままで個人で引っ張って業績を伸ばしてきたものの、ある時点、具体的には従業員の数が50~100名を超えたあたり、あるいは売上高が5~10億円を超えたあたりから、会社の成長スピードが落ちてきたり、今後の企業成長のための経営体制が今のままでよいのか不安をもたれたりするような方
◆従業員は数百名、売上高は100億円を超えているが、今まで自己流で経営をしてきており、今後事業を次世代に引き継ぐに当たって経営の体制を見直したいオーナー経営者の方、あるいはそういったオーナー経営者から経営を引き継いだ次世代経営者の方。

「経営計画」を活用する ~組織を活かす経営を実現し、経営課題を解決!

このような経験はありませんでしょうか?

会社を創業し、技術、アイデアをもとに、勇気と決断力、そして実行力でようやく業績が順調に伸び、従業員も徐々に増えていきました。ところが、ある時点から成長のスピードが鈍化したように感じてもどかしい。 あるいは、経営手腕を発揮し、強いリーダーシップのもと会社を大きくしてきました。ところが、日本経済の停滞とともに企業成長も停滞、次世代経営陣に経営を引き継ぐにあたって、あるいは先代カリスマ経営者から経営を引き継ぐにあたって、会社をさらに発展させていくためにどのような体制で臨めばよいか不安がある。

一見、企業規模も、会社のステージもまったく異なる両社のケースですが、実はいくつかの共通した課題を抱えているように思います。

・指示したことは実行されるが、すべて指示をしないと物事が前にすすまない
・あらたな取り組みに力を入れていると、既存事業がガタついてくる
・セクショナリズムがある
・経営幹部のマネジメント能力に不安がある

など。 こうした課題、悩みの根本は経営幹部やその下の従業員個々人の力が引き出されておらず、かつ個々の向いているベクトルがばらばらのため、組織力が発揮されていないところにあるのではないかと筆者は考えます。


そのような問題の解決の方向性のひとつとして、「経営計画」を活用しながら組織を生かす経営の仕組みを導入することが考えられます。「経営計画」という言葉をつかうと、数値目標のようなものをイメージする方、投資家や銀行などへ提示する計画をイメージする方などが多いように思います。 しかし、「経営計画」の本質は「将来何をやるのか」ということであって、企業戦略そのものであり、個々の経営幹部のアクションプランが重要なポイントとなります。

【経営計画とプレゼン資料の違い】経営計画とプレゼン資料の違い経営計画は戦略作り

また、計画を立てただけで終わらないような実行体制も合わせて考えることが必要となります。「経営計画」を活用したマネジメント体制を図示すると下図のようになります。

【経営計画とマネジメントインフラ】経営計画とマネジメントインフラ

まず、最も重要なものとして経営者の経営ビジョンが存在します。そして、この経営ビジョンを達成するための具体的な戦略やアクションプランを、中期経営計画として策定します。この中期経営計画は、経営幹部を巻き込んで経営陣が一丸となって作成します。

「経営計画」を実行するための体制として組織体があり、その実行を支える3つのインフラが「会計制度」「人事制度」「IT制度」です。なお、ここでいう会計制度は業績管理を目的とした管理会計のことです。さらに、マネジメントサイクルとして「利益管理」と「リスク管理」の両面をみていくこととなります。

今回のコラムでは、この中でも中心的な役割を果たす中期経営計画について、その立て方のポイントや活用の方法についてを中心に解説していきます。その他の分野については、いずれか別な機会で具体的に触れていきたいと考えています。なお、最終回では新規事業や不確実性の高い業界での違ったマネジメントスタイルにも触れる予定です。

どうぞ最後までお付き合いください。

 

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有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツ
茂見 憲治郎

1999年公認会計士2次試験合格後、トーマツにて成長企業のトータルサポートに関与。 専門分野は、株式上場支援、経営計画、経営企画/組織関連コンサルティング、ベンチャー/新規事業、アジア進出。