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上場準備とIPOチーム結成で企業のスキルアップへ ―たかがIPO、されどIPO vol.003

株式会社サクセスサポート
代表取締役
堀之内 泰治

今回のコラムより、いよいよIPO準備での各論に入っていきます。IPOの準備の着手に当たって、主幹事証券会社や監査法人から、最初にIPO準備に関する整備事項の大枠、スケジュール等を提案されます。それに基づいて、IPOに向けた社内体制作り(チームIPOの結成)がなされます。

では、皆さんは「IPO準備の仕事量」のイメージはできているでしょうか?当然ながら、初めての取組みになるため、当初の時点では具体的なイメージはできていないでしょう。経営者が十分理解できているかどうかによって体制作りが大きく変わってきます。

今回は、「IPOの仕事量のイメージを作ること」、そして、「IPOに向けた社内体制構築」について、説明を行ってみます。

IPO準備その1 「仕事量イメージ」

下記に、IPO準備の仕事量のイメージ図を作成してみました(過去約20年間IPOに携わってきましたが、把握する限りにおいては、仕事量のイメージについては、作成したことも見たこともありません。初公開です。)。青色の実線が仕事量の推移を表しています。現在の位置が、直前々期よりも前の期間にある会社を前提としています。もし、直前々期であれば、準備期間の仕事量も期間に対して増加することになります。赤の点線は、ルーティンワークの増加をイメージしたものです。

IPO準備の仕事量イメージ



ご覧のように、仕事量はIPOの時期に向けて増減を繰り返しながら、増加していきます。最終的には、上場会社として必要な業務がルーティンワークとして残ります。個人的なイメージで言えば準備着手前のルーティンワークに対して約3倍程度になると思います。これに個人の能力のアップと組織的能力のアップで対応することになります。

上場準備は、「上場会社として必要な制度や機能の構築、整備及びIPO審査等に係わる仕事」と「上場後もルーティンワークになる仕事」に大きく大別されます。
以下に上記のイメージ図との関連を説明します。


(1)IPO準備と審査に関わる準備内容
上記のイメージ図では、「A~Eの赤色の円」の部分が該当します。各時期の具体的な内容は以下のとおりです。




(2)上場後もルーティンワークになる準備内容
上記のイメージ図では、「Fの赤色の点線円」の部分が該当します。図上に3ヶ所記載していますが、仕事量の水準は、同じに位置にあると思います。上場後もルーティンワークとして同じ仕事量をこなしていくことになります。IPOの準備期間に制度構築を行い、仕事量を把握して効率化を進め、社内の対応、定着を進めていくことが重要になります。

IPO準備その2 「チームIPO結成」

IPO準備の仕事量は把握できたでしょうか?具体的なIPOの準備は、企業と主幹事証券会社と監査法人の三者によって進めていきます。 以下に上場準備に向けた社内体制作りについて説明します。

前回のコラムで書きましたが、上場審査は企業を理解するために行います。また、上場会社は、金融商品取引法により有価証券報告書の提出等の法定開示も求められています。

企業規模によって、IPO準備に振り向けられる人員数は限られてくると思います。経営者にとっては、なるべく少ない人員で効率的に対応したいと考えるでしょう。最初から十分な体制を構築できれば問題はないですが、順次対応を図っていく必要があります。IPOの推進体制は遅くとも直前々期中には整備しておく必要があります(直前期に入ると審査が開始されます。その時点での人員補充はIPOに関する理解ができていないため、役割を十分に果たせない可能性があります。)。

チームIPOの役割・業務内容


上記のメンバーを社内の人材で選任できれば問題はありませんが、適切な人材がいない場合は、社外から補充する必要があります。証券会社や監査法人の方々と相談の上、適切な人材を補充する必要があります。

IPO担当者や各部門担当者は、可能であれば、人材育成面から選任することも重要と考えます。

経営者にすれば、最少メンバーで効率的にIPO審査に対応したいと考えると思いますが、上場後の将来的な人員配置や人材育成を見据えて、立ち上げる必要があります。管理部門を中心とした組織的能力の拡大は企業成長の余力につながることを十分に認識して対応する必要があります。

チームIPOの結成により、IPOに向けた準備が開始されることになります。


 

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堀之内 泰治

1999年日興證券㈱退職、IPOコンサルティング開業。独立後、14社のIPO・POの成功をサポート。前職の証券会社の公開引受部の時代を含め、約20年間IPOの世界で活躍中。