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上場コンサルタントが語る、株式上場入門1「メリット・デメリット篇」  ―株式上場体験談 vol.001

株式会社タスク
専務取締役
竹山 徹弥

株式上場は社長のプロジェクトであるため、新規に株式上場を目指す会社は株式上場の目的を明確にもったほうがよいでしょう。ただ、単純に上場したいなどの軽い気持ちで上場を目指すのは上場準備の負荷等を考えた場合、非常に危険です。

まず社長は何を考えるべきかですが、やはり「上場メリット、デメリット」を認識し、株式上場の目的を設定し、上場時期について戦略的に計画するのが良いでしょう。

享受できるメリット

株式を上場することにより得られるメリットについて、上場会社と株主の両方の立場から述べると、一般的には以下の項目が考えられます。

(1)上場会社
  1)資金調達力の向上、財務内容の充実
  2)知名度、信用度の向上
  3)人材確保の優位
  4)従業員の士気向上
  5)社内管理体制の強化
   (a)組織的な運営
   (b)会社の評価の確立
   (c)パブリックカンパニーとしての確立

(2)株主
  1)株式の流通性の増大
  2)株式の担保価値の増大
  3)創業者利潤の実現

上場企業が背負う5つの社会的責任

株式上場を果たした企業は、様々なメリットを享受することができる反面、社会的責任を負うことになります。

(1)会社情報の開示義務
(2)IR(インベスター・リレーションズ)
(3)金商法・上場規程等の遵守すべき法令・規則の拡大
(4)株主管理への配慮
(5)社内体制整備

以上のどのメリットを享受するか(例えば、資金調達偏重型か上場会社の社長としての名声型か)によって、プロジェクトの力の入れ具合は大きく変わります。特に資金調達がマストな会社は現状の株式市況を踏まえたうえで、資本政策を立案しないと上場間際でプロジェクト中止というような事態に陥るケースも多々散見されます。

私共は年間で50社~70社位の上場等のサポートを実施しておりますが、ここ3年間でみると、上場審査が終盤にかかった企業の社長より呼ばれ、「今上場すべきか」等のお悩みをご相談されるケースが増えていると実感しております。これは、思ったような資金調達ができないことが主たる要因として挙げられますが、不思議なもので、経験上、上場プロジェクトはいける時に行かないとなかなかその後が難しくなるプロジェクトなのです。

したがって、株式上場は経営戦略の要として位置づけることが重要であり、まずは、上場目的や上場時期を明確にし、「社長プロジェクト」として推進し、上場することで新たな経営ステージへと移行する機会なのです。

次回は上場準備体制について掲載いたします。


 

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竹山 徹弥

得意とする業務:上場申請会社における中期経営計画及び予算管理制度導入コンサルティング業務、上場申請書類作成コンサルティング業務、財務報告に係る内部統制(J-SOX)構築コンサルティング業務