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相手に欲しいと思わせるために、マーケティング構造を簡単理解!  ―会計士が行う営業研修 vol.009

株式会社カクシン
代表取締役 公認会計士 税理士 中小企業診断士
長山 宏

マーケティングとは営業に対する概念であり、営業いらずの「売れる仕組み」を指します。マーケティング構造が良ければ、自然に売れますので、営業が不要になるのです。

そもそも、価値は商品サービスにあります。商品サービスが良ければ、一度取引を行えばリピートで注文が来ますので、営業が楽になります。更に、お客様の満足度が期待よりも高ければ、クチコミが起こり、更に営業いらずの状態になります。
iPadが日本に上陸した時の状況をイメージして頂けると分かり易いかと思いますが、発売の数日前から買いたい人の列が出来て、売り出しと共に在庫が飛ぶように売れて完売してしまいました。

良い商品で、使い方も簡単であれば、サービスすら不要になり、営業は不要になります。この状態を作るには、その商品の良さを分かって頂き、「欲しい」と需要を喚起するマーケティングが必要になるのです。

今回はマーケティング構造をいかに作るかについてご説明します。

マーケティングの前提

マーケティングを行うにはその前提として2つの事を明確にしておく必要があります。

第一に顧客の定義であり、第二が商品・サービスの定義です。この2つの概念が明確でなければ、マーケティングは成立しません。
 
(1)顧客の定義

B to Bにせよ、B to Cにせよ、顧客の定義を明確にすることは大切です。人のニーズ・期待は人それぞれですので、そのうちどのようなニーズ・期待を強く持っている対象を顧客にするかの定義を行うのです。

B to Bであれば、仕事の仕方を分析し、多くの方が同じように困っておられ、「お金を払ってまで何とかしたい」と強く思われているポイントを絞り込み、顧客のセグメント、絞り込みを行うのです。

B to Cでは、どの様な生活シーンで困っているか、強い欲求が生じ何とかしたいと思われている項目、お客様像を特定していくのです。例えば、洗濯の革命とも言われる液体洗剤ザブは多くの主婦の洗濯現場のリサーチから「置き場が無い」「小さくないと購入しても持ち帰れない」「洗濯時間を短くしたい」「水の使用量を少なくしたい」というニーズを全て満たしたものです。このようなニーズをお持ちの主婦は多少高くとも飛びついて購入します。

商売は自ら選定した顧客から評価されれば良いのであって、選定していない顧客から評価が低くとも気にする必要は無いのです。

(2)商品・サービスの定義

顧客の定義が出来たら、次は商品・サービスの定義です。

商品には、ハード・ソフトがあります。ハードは形のある物であって、顧客は使い方を知っており、購入すると使用した時にいつでも満足が得られるものです。
ソフトは形の無いノウハウ、手順、コンテンツであって、顧客は使い方、技術、スキルが無いので、そのソフトに従って使うことで、価値が得られるものです。ハードとソフトは所有によりいつでも価値を得ることができます。

一方、サービスはハードとソフトとは違って、所有できません。サービスは顧客にニーズが発生した時に、人的サービスを受けて、その場で満足が得られるものです。サービス業はお客様が欲しいと思った時に自社を思い出して頂けなくてはなりませんし、お客様に対して人的サービスを提供しますので、サービス提供者の知識・スキル・マインドが商品力になります。

ハードとソフトは生産の時に品質管理を行いますが、サービスはサービス提供者の教育・育成が品質管理になります。

商品・サービスは特定されたお客様がよだれを垂らして喜ぶことが求められます。

これらの定義を踏まえて、大事なことは「お客様が購入動機を興すこと」です。

通常、お客様は「売りつけられたくない」と思っておられますので、防衛本能からなかなか購入動機を興しません。マーケティングはそのお客様の防衛本能の鎧を脱がせて購入動機に火をつける仕組み作りを指します。人は自分でこれは良いと言っている人(営業員)の言葉はなかなか信用しませんが、自分が信用・信頼している人から勧められたり紹介されたらすんなりと購入してくれます。良いマーケティング構造とはその流れが良く出来ているのです。

マーケティング構造の考え方

ここで、マーケティング構造の考え方について述べたいと思います。

マーケティング構造を作る為にシートの項目を埋めて頂くことで、頭を整理して下さい。

 

1. 営業拠点(チャネル)

これはマーケティング構造を作る支援者・協力者です。銀行、関係ある金融機関、業界団体、主要取引先、経営者の各種勉強会、サークル、メーカーの下請け協力会、或いは自社の顧客リスト等がこれに当ります。そのチャネルで囲い込まれている顧客(予備群)に対して、安定的に仕事が流れるように構造化、アプローチを行っていきます。

2. ターゲット

ここでのターゲットは各チャネルごとでセグメント化された一定のニーズ期待を持った顧客(予備群)です。これはチャネルごとに集まっている顧客(予備群)の属性が異なりますので、それぞれの特徴を捉えてマーケティングを行う必要があります。それは防衛のスタイルが違うことを意味します。

3. しかけ

これはマーケティングミックスです。どのような手順でいかに防衛の鎧を脱いで頂くかがここでのテーマです。業績の開示、お客様の声、展示会、見学会、説明会、セミナー、試食会、ワークショップ、情報提供などがこれに当ります。いくつかの段階を設け、その段階を少しずつ上に登って頂くことによって、無理なく購入して頂くように設計するのです。例えば、インターネットマーケティングの世界では ①顧客リストの収集 ②教育(お客様に知識を与え、需要を掘り起こす ③無料コンテンツの提供により、欲求を喚起する ④商品のプレゼンテーション ⑤販売といった段階です。

4. ツール

仕掛けの各項目をより効果的にお客様に対してPRする為に、ツールが必要になります。一般的には事例集、サンプル、カタログ、映像、お客様の声、設計資料、提案書等です。これはより客観的に分かり易いものが求められます。

5. 安定的に流れる為のストーリー

最近、マーケティングの世界で良く言われている事が分かり易いストーリーを作るということです。どの様な方が何にどのように困っておられて、そのニーズをいかにして自ら気づき、自らの痛みを解決するかを無理なく自然に行える手順がここで言うストーリーです。その各ステージに適切なツールが用意されており、無理なく次の階段へと登っていけるようになっているのです。

6. 区分

区分の項目は営業拠点あるいはターゲット毎にそれぞれ違うマーケティング構造を作りますので、その違い毎の区分です。

シートの記入のポイント

 シートの記入は各項目の空欄を埋める形で行って下さい。シートの記入ポイントは以下の通りです。

[1] 安定的に仕事が流れてくるマーケティング構造を作る為に営業拠点(銀行、取引先との提携など)を決める

[2] ターゲットは強烈なニーズを持っている顧客のイメージ

[3] 仕掛けは仕事が流れる為の仕組み、関係性

[4] ツールはチラシ、展示会で使うサンプル・カタログ等

 

今回はマーケティング構造作りについてご説明しました。営業いらずでお客様が安定的に流れ込んでくる仕組み作りのお役に立てれば幸いです。

 

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長山 宏

91年三優監査法人入社、97年三優BDOコンサルティング(株)取締役就任を経て現在に至る。京セラの稲盛名誉会長を師と仰ぎ、「社長が変われば全てが変わる」という標語のもと活動中。

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