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トップマネジメントで行う「PDCAサイクル」”適時適切”に運用させて効率アップ  ―企業には第2の利益がある vol.004

株式会社プロネット
代表取締役 公認会計士
高橋 廣司

前回までの3回にわたり、『第2の利益』について販売管理を例に説明させていただきました。今回はトップマネジメントのPDCAサイクルにおける『第2の利益』についてお話ししたいと思います。

”適時適切”に運用する5つのポイント

一般に、PDCAサイクルは以下の様に図示されます。

競争が激化するにつれ、優れた経営戦略とそれを実行する体制の強化が必要になります。

トップマネジメントのPDCAサイクルが適時適切に運用されるためには、次のポイントを検討する必要があります。

【1】経営者が理念・経営目標・事業計画を明確にして従業員に伝えているか

従業員から見れば経営者の思考を共有し、少しでも普遍的な使命をそれぞれの立場で感じていることが必要です。使命感からそれぞれの立場でのリーダーシップが誕生し、生産性が向上します。また適切な理念・目標の下で醸成された企業風土は、不正に対して抑止力ともなり得ます。

【2】事業計画と予算が整合しているか

特に販売予算は売上高・粗利ベースで作成され、事業計画と整合していることが重要です。また予算は実績と比較分析できるように、セグメント別、部門別、製品別、顧客別、営業担当者別等の様々な側面を意識して作成される必要があります。

【3】予算作成に際し前提条件が明確になっており実績との差異分析ができるようになっているか

予算実績差異分析の結果をふまえ、今後の身の振り方を検討できるような内容である必要があります。しかし、実績数値と予算数値を比べ一喜一憂していてはいけません。なぜならそこから要因分解等によって自社の弱みを明らかにすると同時に、企業努力に因らない外部要因による予実差異についても、当該企業外部のリスクをヘッジする手法・規模等を考えることは極めて有益だからです。

【4】月次管理損益計算書とその管理資料は予算と同様な切り口で実績の集計が可能か

予算は細かく作るが実績は予算作成ベースで集計できていないケースがあります。作成基準が同一でないものの比較は、予算実績差異分析のそもそもの意義をなくしてしまいます。

【5】PDCAサイクルの結果と人事評価が連動しているか

PDCAサイクルの結果が人事評価に十分に反映されていないケースが多々あると思います。成長を伴う継続的な予算達成は、ただ目標をトップダウン的に押し付けるだけでは難しいでしょう。従業員へのインセンティブ付与は極めて重要です。

以上の点を再点検して、トップマネジメントのPDCAサイクルから生まれる『第2の利益』の獲得を目指していただきたいと思います。

今回も含め、4回にわたり、『第2の利益』の意味と『第2の利益』獲得を目指す経営管理体制の強化についてお話をしてきましたが、次回は、我が国の中小・中堅企業における次世代への経営の承継について話をしていきたいと思います。

『第2の利益』は経営の承継の局面でも重要な役割を果たします。 

 

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高橋 廣司

中央監査法人、新日本有限責任監査法人で公認会計士として株式公開の支援業務を中心に活動し、20社以上の上場準備支援、1500社以上のショートレビューを経験。2011年株式会社プロネットを設立。現在は代表取締役を務め、様々な分野のプロフェッショナルを結集して企業をサポートしている。