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自社にマッチしたパッケージシステムを選ぶ極意は「4つの目線」と「主観的評価」  ―パッケージ選定の落とし穴 vol.002

わしらコーポレーション株式会社
ITコーディネーター
坂巻 良二

前回は、「パッケージ候補の選定」と「ソリューション(提案内容)の選定」といった、いわゆる「パッケージ選定」を中心にお話ししましたが、第2回は、パッケージを選ぶ「人(評価者)」に重点を置いて、お話ししたいと思います。

パッケージを評価する「目線」を集めろ ―パッケージ選定目線のチェックリスト―

パッケージを選ぶ上で重要なのは、評価目線です。もちろん、ここで挙げる評価とは、「パッケージの製品内容をよく知っている」、「仕様をよく理解している」などといったことではなく、様々な立場の目線からパッケージを評価することを意味しています。パッケージの導入目的にもよりますが、利用者だけではなく、それ以外の「人」の評価を取り入れることが大切なのです。

例えば、私たちがパッケージ選定のプロジェクト支援を行う場合は、お客様に最低でも4つの目線で評価者を選んでいただくようお願いしています。

1.利用者(現場)の目線
2.システム管理者の目線
3.経営層の目線
4.監査・経理の目線

では何故、このような目線が必要なのでしょうか? 上記の「1.利用者」や「2.システム管理者」は、通常どこの選定プロジェクトでもメンバーとして参画されているかと思います。しかし、「3.経営層」や「4.監査・経理」の立場の方の参画はどうでしょう。 意外と抜けていませんか? 特に近年、「4.監査・経理」は、非常に重要です。パッケージを選定した後に、システム監査・内部統制・会計監査を踏まえて要件定義(FIT&GAP)すると、パッケージのカスタマイズ要件が増大し、予算超過する傾向にあります。 これを避けるためにも、この目線が必要なのです。 

また、「3.経営層」については、会社の事業計画(中期・長期)や事業戦略に基づく判断基準を持っていただくことがポイントとなります。 社の将来方針にパッケージの導入効果が寄与するのか、パッケージベンダーに対し、取引先としての価値を判断するためにも必要なのです。

【表3】にその目線の役割をまとめてみました。もちろん、目線を兼務できる「人」もいるかと思いますが、この4つの目線は最低でも不可欠です。

表3. パッケージ評価者の目線

パッケージにかかわる「人」を主観で評価すべし ―プロジェクト人物チェックリスト―

前項では、評価者の選定についてお話ししましたが、ここでは、冒頭にご紹介したとおり「人」に重点を置いた評価についてお話しします。

評価者が行う評価は、初期費用や保守費用、機能の有無といった定量化できる客観的な評価とは異なり、主観的な要素であるべきです。何故、パッケージ選定に主観的な評価が必要なのでしょうか?もちろんパッケージ自体の客観的な評価は重要ですが、そのパッケージを導入するだけではなく、利用していく上で、パッケージベンダー、営業マン、プロジェクトマネージャー、SE、運用担当者などとは少なくとも利用期間中、長く深い付き合いをしていくことになります。 これから苦難(産みの苦しみ)もある中で、一緒にやっていくパートナーを選定するのですから、主観的な評価をすることも必要なのです。

【表4】をご参照ください。ここでは、パッケージ評価の項目に含めるべき、主観的評価を挙げています。例えば、「1.会社の評価」では、自社の事業との関連で「大きなメリットがある」「メリットがある」「どちらでもない」「デメリットがある」「大きなデメリットがある」といった5段階の評価点を作ります。結果的には、得意先の関連会社であれば、営業的にも「大きなメリットがある」でしょうし、競合他社の関連会社であれば、ノウハウの流出が懸念され「大きなデメリットがある」となるでしょう。

また、プレゼンテーションをしている「人」の話し方や態度を評価することもよいでしょう。 私たちがパッケージ選定のプロジェクト支援を行う場合は、提案のプレゼンターをプロジェクトマネージャーが行うようお願いしています。これは、長くお付き合いできる相手かどうかの見極めを行うためです。

このような主観的な評価は、「好き」「嫌い」になりがちですが、パッケージ導入の現場は、「人」と「人」が連携して作業することで成り立っていますので、懐疑的な感情を持ったまま作業をするよりも気持ちよく作業をした方がお互いのためでもあり、効率を上げることにもつながります。

現在まで様々な業種で、様々なパッケージ選定のお手伝いをさせていただきましたが、意外と客観的評価よりもこの主観的評価が決め手となることも少なくありません。似たようなパッケージが乱立する中では、このような観点が最終的に決定を後押ししていることもあるようです。

表4.主観的な評価の種類

前回と今回で、「パッケージ選定の落とし穴」と題し、パッケージを選定するための評価の見落としがちな点をご紹介してきました。本来、パッケージ選定は、事業計画・システム化の目的・現状業務分析などを経て、RFPを作成し、それに基づく評価基準書の作成、最終報告としての評価結果の作成など、様々な過程があり、それぞれにポイント(落とし穴)があります。

パッケージシステム導入を炎上させないためにも、これらのことは、是非、実践してみてください。

この記事が、少しでも皆様のお役にたてれば幸いです。


 

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わしらコーポレーション株式会社
わしらコーポレーション株式会社
坂巻 良二

(株)JTB情報システム営業開発部次長、(株)日本医療データセンター副本部長、富士ソフト(株)メディカルシステム部長等を経て、2007年わしらコーポレーション(株)の創業メンバー